私の成長ストーリー(大学院)清水 厚希 さん
- 清水 厚希 さん
- 理工学研究科 博士課程(後期)自然科学専攻
2026年3月修了 - 理化学研究所 創発物性科学研究センター 特別研究員
- 理工学研究科 博士課程(後期)自然科学専攻
恵まれた研究環境だからこそ広い視野と豊富な知識が

2026/08/24 更新
- 大学院入学前はどのようなことに関心をもって岡山理科大学大学院に入りましたか?
- 高校生の頃、企業で研究職として働く父の影響を受け、有機化学、特に「高歪みな構造を持つ分子」に強い興味を抱いていました。そのため、学部生の段階で「早期研究室配属プログラム(大学院早期進学コースの前身の旧プログラム)」を選択し、学部3年から博士課程まで一貫して物理有機化学研究室で研究に打ち込みました。
修士課程を過ごす中で、「もっと面白い構造を持つ新規化合物を作り出し、世界に向けて論文として発信したい」という思いが益々強くなりました。また、将来目標とする有機合成化学の研究開発職として第一線で活躍するためには、さらに高度な研究能力と専門性を身につける必要があると感じ、迷わず博士課程への進学を決意しました。後悔のないよう、自分の好きな研究に思いっきり没頭したいという強い情熱が原動力でした。
- 大学院入学後で特に印象に残っている岡山理科大学での学びはどのようなものですか?
特に印象に残った学びは、有機化学系の教員や学生が一堂に会する「コンプリヘンシブ演習」での文献紹介や実験報告会です。この科目は修士課程に開講されている講義ですが、私も特別に参加させていただきました。この演習では、一人あたり約1時間と十分な時間が与えられ、立場を超えたクリティカルで深いディスカッションが行われました。実験報告では、研究テーマの設定の仕方、研究の進め方、新しいアイデアなどに対して貴重なアドバイスを多くいただき、自身の研究を大きく飛躍させるきっかけとなりました。
また、岡山理科大学の素晴らしい研究環境も大きな魅力でした。有機合成化学分野で必須となるNMR(核磁気共鳴装置)やMALDI-TOF MS(マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間質量分析計)、ほか「円二色性分散計」などの大型測定機器を、いつでも自由に使える環境が整っていました。これにより、思いついたアイデアや誘導体をすぐに測定・検証することができ、思わぬ面白いデータが得られ、学術誌への論文掲載へとつながる成果を生み出すことができました。この環境があったからこそ、「まずは試してみる」という挑戦の大切さを改めて知ることができました。
- その学びをいかして出すことができた成果や成長の実感について教えてください。(就職先でのことなど)
試行錯誤を重ねながらも、指導教員の先生方、研究室の仲間、そして家族の支えを受けながらコツコツと研究を進め、複数の論文にまとめて博士号を取得できたことは、大きな自信となりました。
現在は、念願であった「高歪みな構造を持つ分子」を取り扱う有機合成化学の研究をしています。岡山理科大学で学んだ「研究テーマの立案」、「実験の組み立て」、「装置の解析・データ読解」といった研究者としての根本的なスキルが、現在の業務でも非常に役立っています。さらに、現在は新設されたばかりの研究室に所属しているため、大学院時代に経験した「研究室運営のノウハウ」や「ディスカッションの進め方」が、上司やスタッフの方と連携して組織を作り上げていく際にも大いに活かされています。
- 今から振り返ると、ワクワクに目覚める前の自分はどういう状態でしたか?
- 元々は特定の有機化学分野だけに興味があり、視点が狭かったと感じています。しかし、学部3年次から博士課程までの7年間の中でいろいろな論文を読んだり、さまざまな学会や講演会へ積極的に参加したりしたことで、自分のテーマにとどまらず化学全体の広い領域に対して強い関心と探究心をもてるようになりました。
このように視野が広がり、研究の本当の楽しさ(ワクワク感)に目覚めることができたのは、岡山理科大学の恵まれた環境の中で、自ら手を動かしてたくさんの実験・測定を行い、豊富な知識と経験を積み重ねることができたからだと実感しています。