生物の力で暮らしを豊かに
地球と人間の共生を科学する。
生命の謎を最先端技術で解き明かす「バイオサイエンスコース」、地球に優しい食糧生産技術を学ぶ「生物生産コース」、化粧品と食によるアンチエイジングにアプローチする「コスメ・食品コース」、環境問題の改善を追究する「環境科学コース」、未来の医療技術を開発する「医用生物学コース」で構成。健康で、自然と調和した持続可能な社会の実現をめざします。

学ぶ領域・分野
[理学系−生物科学]
生命現象を科学的に理解するため、細胞を構成するタンパク質、DNAやRNAの遺伝物質、脂質やビタミン類の化合物について学び、細胞の機能をゲノム情報にもとづいて理解する。生命現象を産業分野や医療分野へ応用するための基盤となる力を習得する。
[農学系−生物科学]
「微生物」、「植物」、「魚類・水産」など、食糧生産や産業利用につながる“ものづくり”を学ぶ。さらにこれらが食品として人に与える機能や安全性を理解する。豊かさと、環境に配慮した持続可能な社会の両立をめざし、生物の力を応用に結びつけるための研究を行う。
[環境系−生物科学]
人間活動が環境や生態、さらには人間におよぼす影響を分析するための知識や技術を身につける。また、自然環境と共生できる豊かな社会の実現のため、グリーン化学の分野を学び、製薬や機能性化合物の合成など、産業応用も可能な環境科学に関する研究を行う。
[医学・コスメ系−生物科学]
iPS細胞など幹細胞による再生医療の先進技術について学び、がん治療などに貢献する研究を行う。また、コスメティック分野では皮膚細胞培養技術を用いた肌研究、化粧品開発などについて学ぶ。超高齢社会で健康寿命延伸に貢献する研究を行う。
4年間の学びの流れ
バイオサイエンスの基礎を身につける
生物科学の基礎を学びます。また、学科で行われているさまざまな先端研究を各先生からわかりやすく学ぶ科目を準備。秋学期からは「分子遺伝学」「生命物質化学」等の生物科学の専門科目もスタートします。
コースに分属し、専門基礎科目を広く履修
バイオサイエンス、生物生産、コスメ・食品、環境科学、医用生物学のいずれかに分属します。基礎から応用的な科目を段階的に履修します。また、バイオサイエンス実験により生物科学を体感します。
所属コース専門科目を中心に他コースの科目も履修
所属コースの専門科目に加えて他コースの専門科目も幅広く履修することで、より高度な専門性を養います。実験科目も各コースに準備され複数の実験に幅広く取り組みます。
先端研究を通して実社会で活躍できる人材へ
バイオサイエンス、生物生産、コスメ・食品、環境科学、医用生物学の各コースに設けられた研究室に配属し、先進的な技術や理論による卒業研究テーマに取り組みます。
カリキュラム(専門教育科目)
選択科目 選択必修科目 必修科目
1年次 | 2年次 | 3年次 | 4年次 | ||
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基礎科目 | 生命科学概論Ⅰ・II 生命科学のための生物学 生命科学のための化学 生命科学のための物理学 情報リテラシー コンピュータ演習 |
卒業研究Ⅰ・II | |||
共通専門科目 | 生命物質化学 分子遺伝学 細胞生物学 |
酵素と代謝 生物有機化学 微生物学 分析化学 動物生理学 植物科学 生体反応化学 生物統計と生化学計算法 |
専門英語 | ||
コース専門科目 ※所属コース科目だけでなく 全てのコース科目を選択履修できます。 |
バイオサイエンスコース | タンパク質科学 生体物質の代謝学 免疫生物学 細胞分子生物学 バイオサイエンス実験 |
遺伝子工学 細胞情報制御学 ゲノム科学 進化生物学 ヒト疾患学 発生生物学 植物分子生理学 |
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生物生産コース | 発酵と食品科学 植物栽培学 |
微生物の産業利用 生物間共生学 魚類飼育論 アクアリウム環境論 生物活性化学 応用植物資源学 植物育種学 水産生物学実習 |
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コスメ・食品コース | コスメティックサイエンス概論 化粧品開発のための皮膚生物学 食品バイオテクノロジー |
皮膚毛髪の発生再生学 香粧品学 食品安全衛生学 食薬学 食品機能学 コスメ・食品実験 |
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環境科学コース | 環境科学 環境公衆衛生学 |
環境生態保全学 グリーン物質合成化学 生活環境学 グリーン創薬化学 環境生体応答学 機器分析法 環境科学実験 |
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医用生物学コース | 生体材料学 | 細胞工学 組織工学 分子生理学 タンパク質医用科学 再生医学 人工臓器概論 医用ナノテクノロジー 医用生物学実験 |
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専門関連科目 | 物理学基礎論Ⅰ・II 物理学基礎実験 地学基礎論Ⅰ・II |
地学基礎実験 | |||
教員養成プロジェクト科目 | 教職基礎演習 | 野外実践指導実習Ⅱ 理科教材開発指導 授業実践演習 教職のための物理 教職のための生物 教職のための化学 教職のための地学 教職のための文章表現法 |
教職のためのプレゼンテーション |
研究室紹介
【研究キーワード】DNA修復、細胞寿命、分裂酵母ゲノム生物学研究室(河野真二)
【研究キーワード】クロマチン構造、DNA/RNA結合タンパク質細胞生化学研究室(南善子)
【研究キーワード】タンパク質の機能、代謝経路、細胞内局在 細胞生化学研究室(森田理日斗)
【研究キーワード】真正粘菌、酵素、乾燥耐性細胞情報学研究室(中村元直)
【研究キーワード】G蛋白質共役型受容体、シグナル伝達 植物発育生理学研究室(猪口雅彦)
【研究キーワード】植物組織培養、形態形成、環境応答筋細胞生物学研究室(長田洋輔)
【研究キーワード】骨格筋、筋再生、スフィンゴ脂質微生物機能学研究室(八田 貴)
【研究キーワード】組換えDNA、分子生物学、土壌微生物応用微生物学研究室(三井亮司)
【研究キーワード】発酵生産、共生微生物、食品微生物
【研究キーワード】微生物探索、有用物質生産、発酵食品生物機能制御研究室(林謙一郎)
【研究キーワード】植物ホルモン、植物科学、化学生物学植物生理学研究室(濱田隆宏)
【研究キーワード】植物、イメージング、先進農業 閉鎖循環型養殖研究室(山本俊政)
【研究キーワード】好適環境水、RAS養殖、アクアポニックス コスメティックサイエンス研究室(安藤秀哉)
【研究キーワード】メラニン、紫外線、美白化粧品 スキンバイオロジー研究室(田所竜介)
【研究キーワード】メラニン色素、オルガネラ、皮膚酵素機能化学研究室(石原浩二)
【研究キーワード】微生物、発酵化学、バイオマス食品薬学研究室(松浦信康)
【研究キーワード】天然資源、生活習慣病味覚の分子科学研究室(山口悟)
【研究キーワード】タンパク質構造、分光法、味覚
【研究キーワード】促進酸化処理法、有害元素、紫外線処理環境生物化学研究室(汪 達紘)
【研究キーワード】環境公衆衛生、生体バイオマーカー 環境生物化学研究室(宮永政光)
【研究キーワード】水環境、動態調査、環境負荷化学物質 天然物創薬化学研究室(原村昌幸)
【研究キーワード】ペプチド化学、ケミカルプロテオミクス環境調和合成化学研究室(窪木厚人)
【研究キーワード】有機化学反応、酵素反応、生理活性物質再生医工学研究室(内貴猛)
【研究キーワード】筋細胞、巨大培養組織、培養組織強度マイクロ・ナノ生理学研究室(松浦宏治)
【研究キーワード】精子選別、受精卵培養、メカノメディスン細胞機能科学研究室(神吉けい太)
【研究キーワード】再生医療、幹細胞、癌タンパク質医用科学研究室(二見 翠)
【研究キーワード】タンパク質、細胞機能制御、血液浄化
Student’s Voice
在学生(4年生)
岡本 真衣
岡山県立玉野光南高校出身
一つ一つ研究を積み重ね 新たな発見をする研究者に。
もともとコスメに興味があり、科学的に学びたくてこのコースを選択。今はシミなど皮膚着色のメカニズムを研究しています。大学にさまざまな学部・学科やコースがあり、自分に合ったところを選びやすいように編成されていると感じます。研究室を選ぶ際にも、実際に訪問し、自分自身がやりたいことができるかを吟味して選ぶことができました。
外部講師から、会社の研究室では決められた所までしか研究できないと聞き、アカデミックな研究者の道に進みたいと思うように。まだ誰も知らないことを発見することができる、そんな可能性にわくわくします。研究では思うような結果が出ずつまずくこともありますが、原因を一つ一つ突き詰め、少しずつ前進。新発見の兆しはまだ遠いですが、「この中に何かあるんじゃないか」と期待しながら、日々、顕微鏡を覗いています。
※在学生は前身の工学部バイオ・応用化学科コスメティックサイエンスコースの内容です。