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私の成長ストーリー中橋 健太郎 さん

応用数学科

中橋 健太郎 さん香川県立高瀬高等学校 出身
2020年度卒業/京セラコミュニケーションシステム株式会社

人に何かを教える体験がよい学びに

入学前はどのようなことに関心をもって岡山理大に入りましたか?
もともと教員になるという目標があり、岡山理大では特に国際バカロレアの教員資格(IBDP*)を取得できると知り、入学しました。

* IB : International Baccalaureate(国際バカロレア) 国際バカロレア機構(本部ジュネーブ)が提供する国際的な教育プログラム。 DP : Diploma Programme(ディプロマプログラム) 国際的に認められる大学入学資格であるIB資格が取得可能なプログラム。 16歳~19歳までを対象とし、所定のカリキュラムを2年間履修し、最終試験を経て所定の成績を収めることでIB資格が得られる。

入学後で特に印象に残っている岡山理大での学びはどのようなものですか?
専門的な話でいえば、微積分の講義でネイピア数の存在証明を学んだとき、大学数学の魅力を感じました。また、線型代数で抽象ベクトル空間の定義を学んだときには、すっかり大学数学に引き込まれました。 理大ならではの学びとしては、3年生からのSA制度が挙げられます。下級生の質問に対して回答していく取り組みがとても自分のためになったと思います。なぜなら、人に何かを教えるには、通常の理解よりさらに深い理解が必要だからです。私の大学数学に対する理解度が深まったのは、このSA制度のおかげだと思います。
その学びをいかして出すことができた成果や成長の実感について教えてください。
やはり、人に何かを伝えるということは非常によい学びになります。自分が理解できるだけでなく、他人も理解できるような「言葉」を整備する経験は、何ものにも代えがたいと感じました。実際、大学院生のときに、高校で非常勤講師を務めたときや就職後に報告書をまとめる際に役立ちました。この訓練のおかげで、自分の考えを明確に伝える力が身についたと思います。
今から振り返ると、ワクワクに目覚める前の自分はどういう状態でしたか?
漠然と教員になれたらいいなというくらいの意識で、まさか自分が今の職(システムエンジニア)に就くことになるとは思いもしませんでした。
後輩へのメッセージをお願いします。
大学で学ぶ数学は、「社会に出たときにあまり使わないから意味がないのではないか?」と、不安に感じることがあるかもしれません。しかし、応用数学科で学ぶ理論や思考法はこれからの時代において非常に強い武器になると私は考えます。 例えば、一つの定理を証明するために、claimや補題などの小さな命題に分解し、一つ一つ証明していく経験は、プログラム設計などの分野で役立ちます。また、証明を行う過程で直感的な事柄を数式や言葉で表す訓練を行っているため、ChatGPTなどをはじめとした生成AIのツールを用いたプロンプトエンジニアリングのような、直感的な事柄を言葉にして質問する能力が必要な場面でも、このような経験が非常に役立ちます。現代社会はVUCAの時代と呼ばれ、技術の進化が激しく、常に最新の技術を学ぶ必要があります。しかし、その時々で得た知識はすぐに古くなるかもしれません。最新の技術を必要なときに取り入れるためには、基本的な考え方や根本、原理をしっかりと学んでおくことが大切です。応用数学科で学ぶ理論・思考法は、変化の激しい時代にこそ強みになります。だからこそ、応用数学科での学びを大切にしてください。数学は、複雑な問題を解決するための考え方を教えてくれますし、これからの時代にも通用するスキルを身につける手助けになります。自信をもって、学び続けてください!
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