臨床工学専攻

臨床工学専攻

理学部 応用物理学科

臨床工学技士をはじめ、応用物理学に習熟した医用工学の専門家を育て、医療の未来を大きくひらく。

応用物理学科3つのポイント

最先端医療に不可欠とされる、
先端医用科学の基礎力を養成
高度な医療機器に対応できる
臨床工学技士を育成
高校での習熟度に対応した
クラス編成で基礎力を固める

最先端医療には、物理学が深く関連しています。エックス線の発見はレントゲン写真に、磁気共鳴の研究はMRIに活用されるなど、物理学と医療は切り離せません。医療機器の技術進化にあたり、それらの操作や保守管理に携わる臨床工学技士※や、新しい機器の研究開発をする技術者には、より高度な専門性が求められています。本専攻では、物理学の専門研究者、医師資格をもった病理医や経験豊富な臨床工学技士の協力による多層的なカリキュラムで、患者さんの体内で起こっている現象を深く理解した人材を育成します。講義以外にも国家試験対策の補講や模擬試験を年間20回程度開催するなど、国家試験に向けた学科独自のサポートも実施しています。

4年間の学びの流れ

物理学の基礎科目を履修して、基礎を固める

数学、力学、電磁気学といった基礎科目は、2年次以降に臨床工学の基礎および専門基礎科目を学ぶ上で重要です。しっかりと身につけるために、高校での履修状況などに応じて「ゆっくりコース」と「ふつうコース」に分かれます。

臨床工学の基礎および専門基礎を学ぶ

「応用電磁気学」など物理学のより専門的な科目のほかに、医学、工学、情報に関する臨床工学の基礎・専門基礎科目を開講。実験科目では、実験を通して基礎力を身につけるとともに、解析や考察の仕方、レポート作成の方法についても学びます。

4年次のコース分けを見据えて科目を選択

「医用治療機器学実習」や「医用生体計測装置学実習」などの実習科目を通して、4年次の臨床実習で必要となる知識を習得。実習ではこれまで学んできた講義および実験をベースに、医療機器に関するより深い知識、理解、洞察力の養成をめざします。

受験資格取得もしくは特別研究に取り組む

「臨床工学コース」と「医用科学コース」のいずれかを選択。臨床工学技士の国家資格取得をめざす「臨床工学コース」では、専門科目と病院実習が必修です。「医用科学コース」では、臨床データの解析や医療機器の開発などに関わる特別研究に取り組みます。

学ぶ領域・分野

物理学

医療現場で利用されている医療機器の動作原理を理解するため、力学、電磁気学といった物理法則の基礎を学ぶ。

医用工学

心電計、レントゲン装置など基礎的な医療機器の動作を学びながら、機器の特性を理解したり、それを実現したりする工学技術を習得。

医療技術

医療機器を安全かつ効率的に操作および保守する技術のほか、患者さんへの接し方、職務に関連する法令について学ぶ。

電気・電子

電気・電子回路の基本的な動作を、アナログとデジタルに分けて学ぶ。実際に回路を作成し、実験をしながら理解する。

医学

解剖学、生理学などの基礎に加え、免疫学、病理学、薬理学、臨床医学総論など臨床の現場で必要な知識を学ぶ。

カリキュラム

選択科目 選択必修科目 必修科目

  1年次 2年次 3年次 4年次
基礎科目(共通) 質点の力学Ⅰ
微分積分学Ⅰ・Ⅱ
線形代数学
応用数学/基礎電磁気学Ⅰ
コンピュータ入門Ⅰ・Ⅱ
医学概論・公衆衛生学
医用工学概論
質点の力学Ⅱ
基礎電磁気学Ⅱ・Ⅲ
解剖学
  特別研究Ⅰ・Ⅱ
関係法規
看護学入門
ゼミナールⅠ・Ⅱ
臨床特別研究
(臨床工学コース)
臨床医学総論Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ
(臨床工学コース)

臨床実習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ
(臨床工学コース)
臨床医学特論Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ
(臨床工学コース)
専門科目 共通   情報処理工学/機械工学
電子工学Ⅰ・Ⅱ
電気工学概論
システム工学/物性工学
基礎医学実習
生化学/生理学Ⅰ・Ⅱ
医用機器学概論
医用生体計測装置学
生体機能代行装置学Ⅰ
応用電磁気学
材料工学/計測工学
病理学/免疫学/薬理学
医用治療機器学
医用機器安全管理学Ⅰ・Ⅱ
生体機能代行装置学Ⅱ・Ⅲ
臨床工学コース     医用治療機器学実習
医用機器安全管理学実習
医用生体計測装置学実習
生体機能代行装置学実習
Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ
実験(共通) 物理学基礎実験 電気・電子工学実験Ⅰ・Ⅱ  
専門関連科目(共通) 化学基礎論Ⅰ・Ⅱ/化学基礎実験
生物学基礎論Ⅰ/地学基礎論Ⅰ・Ⅱ
地学基礎実験
生物学基礎論Ⅱ
生物学基礎実験
 

在学生・卒業生からのMessage

在学生(3年生)

原田 綾​
徳島県立脇町高校出身

機械を通して患者さんを診る専門家「臨床工学技士」になって
安全・安心な医療技術を提供する。

 私の地元には、人工透析ができる病院が近くにはなく、近所に住む高齢者の方の「場所が遠いから移動も大変」との声が胸に刺さりました。「誰かの役に立つ仕事がしたい」と考えていた私は、人工透析などの医学知識と、得意な物理学を活用した工学知識を併せもつ医療技術職・臨床工学技士になろうと決めました。進学先には、国家試験の受験資格が取れ、物理学の知識を使った高度な研究もできる、応用物理学科 臨床工学専攻を選びました。

 大学は期待通り、最新の医療機器が備わっており、実習科目も充実。3年次の「生体機能代行装置学実習」「医用機器安全管理学実習」などで、人工心肺装置、人工呼吸器、血液透析装置などの操作技術や理論を実践的に学びました。

 現在、堀 純也先生の応用臨床工学研究室に所属。AEDなどの除細動器や電気メス、血液透析装置といった医用電気機器に関する研究に取り組んでいます。堀先生の「いろんな医療系職種の人とのつながり、横の広がりが大切」との言葉に背中を押され、おかやまマラソンのAED隊の活動にも参加。看護師とともに救護支援に加わり、チームで動く現場を体験できたのは貴重な経験です。

 4年次からは、臨床工学技士の国家試験合格をめざして勉強に励みつつ、血液透析の研究を深めます。「安全・安心な医療技術を患者さんに提供できる臨床工学技士になってほしい」との堀先生の言葉を忘れることなく、将来、大きな病院で最新技術や知識を身につけ、いずれは地元の医療にも貢献したいと考えています。

 

2012年3月卒業

押川 千穂
宮崎県立高鍋高校出身
兵庫医科大学病院勤務(兵庫県)

医療機器を使った実験や学会発表の経験が
臨床工学技士として成長していく支えです。

 テレビなどで臨床工学技士の活躍を見て憧れ、岡山理科大学 理学部での学びを高校の先生から薦められて進学しました。高校では縁のなかった物理学や電気工学も、仲間の協力や先生方からの丁寧な指導でクリア。国家試験対策では過去問に取り組むだけでなく、関連する医療機器を使用した実験が理解につながりました。卒業後は新しい治療法や設備を率先して導入する大学病院で、日々刺激を受けながら、主に人工透析業務を担当しています。学会発表の機会も多く、大学時代に先生の薦めで学会に参加した経験が大きな力に。今後は後輩のサポートや対外活動などを通して、私が蓄積してきた経験を活用してもらうことも重要視したいです。人工透析に関連する専門資格の取得へのチャレンジも考えています。

※在学生についての掲載内容は2019年3月時点の情報です。