生命医療工学科

生命医療工学科

工学部

工学の知識と技術で医療の進歩に貢献する再生医療にも精通した エンジニアを育成。

生命医療工学科3つのポイント

工学と医学・生物学の
融合領域を幅広く学ぶ
工学、医学の基礎知識から
最先端の研究開発までを学ぶ
臨床工学技士として、
医療の現場で活躍できる

医療の進歩には、工学の力が欠かせません。そのため医療の現場では、医学や生物学の知識を備えたうえで、高性能な機器や装置の開発、設計、製造および操作が可能なエンジニアが求められています。本学科では医学・生物学と工学の融合領域を広く学び、人工臓器や超音波診断装置といった医療機器の「開発」「使用」両面について習得。近年注目の再生医療に関連する技術の開発や基礎研究について学び、工学的問題解決能力を身につけます。また産学連携にも積極的に取り組み、医療機器を操作する専門職である臨床工学技士※の資格取得をめざした教育も実施。最新医療機器にいち早く対応し、チーム医療に貢献できる人材を育成します。

4年間の学びの流れ

基礎を学びながら、進路選びの準備を進める

理学、工学、医学に関する基礎的な科目を学びます。これらの学習を通して、コース選択や、将来の研究分野および進路選びの準備をしていきます。2年次進級後に、希望に応じて、生体工学、臨床工学、再生医療の3コースに分かれます。

生体工学、臨床工学、再生医療の3コースから選択

生体工学コースは「生物・化学・環境」、「機械・材料」、「電気・電子・情報」の3分野から興味のある科目を選択し、CT、MRIなどの医療機器、人工関節といった人工臓器の開発をめざします。臨床工学コースでは、臨床工学技士国家試験の受験に必要な科目を学び、医用科学教育センターで実際の医療機器を用いた実習にも取り組みます。再生医療コースでは、分子生物学・生命工学・細胞操作技術などを中心とした再生医療工学を学びます。

 

卒業研究に取り組む/国家試験に向けて準備

生体工学・再生医療コースでは、実際に現代医療の課題となっている遺伝子、人工臓器、診断・治療機器、バイオメカニクス、環境計測などをテーマにした卒業研究に取り組みます。臨床工学コースでは、病院実習に取り組みつつ、臨床工学技士国家試験受験に向けた準備を進めます。

学ぶ領域・分野

生物・化学

遺伝子、たんぱく質、医薬について学び、人の健康に役立つ知識を身につける。がんや免疫、血管の病気など、重大な疾患について原因や治療方法などを学ぶ。

機械・材料

工学のベースとなる力学の基礎知識のほか、からだや器官、組織の仕組みを習得。人工臓器やその材料についても知識を深める。

電気・電子・情報

医療機器の開発・設計や製造に欠かせない電気・電子工学や情報工学について基礎から学習。手術ロボットなどについても学ぶ。

環境

土壌や水圏など、人を取り巻く環境の評価と保全について学ぶ。健康に害を及ぼす環境汚染物質の調査や、生物や化学の力を使った無害化について学ぶ。

 

臨床工学

臨床工学技士の国家試験受験資格取得に向けて、生体医工学の基礎知識を学び、最新の医療機器を使った実習を受ける。

再生医療

機能不全に陥った生体組織や臓器の再生に必要となる分子生物学・生命工学・細胞操作技術などを講義、実験を通して学ぶ。

カリキュラム

選択科目 選択必修科目 必修科目

  1年次 2年次 3年次 4年次
基礎科目 応用数学Ⅰ・Ⅱ
基礎物理学/基礎化学
情報処理工学Ⅰ・Ⅱ
物理学実験
化学実験/生物学実験
    卒業研究Ⅰ・Ⅱ
特別研究

臨床工学特別講義Ⅰ・Ⅱ
基礎医学実習
臨床実習Ⅰ・Ⅱ
看護学概論
臨床医学総論Ⅲ・Ⅳ
専門科目 共通 生理学/解剖学
生化学
免疫学/公衆衛生学
電気工学Ⅰ・Ⅱ
電気工学演習
材料工学
物性工学
薬理学/病理学概論
関係法規/医学概論
電子工学/電子工学演習
計測工学
生体計測装置学Ⅰ・Ⅱ
診断機器概論/情報処理演習Ⅰ・Ⅱ
生命工学実験Ⅰ・Ⅱ
機械工学/治療機器学
人工臓器Ⅰ・Ⅱ
生命医療工学概論
臨床医学総論Ⅰ・Ⅱ
人工臓器Ⅲ
ゼミナール
生体工学
コース
  応用力学 バイオメカニクス
システム工学
生活環境学/医用安全工学Ⅰ・Ⅱ
臨床工学 コース     生体機能代行装置学実習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ
医用治療機器学実習
医用生体計測装置学実習
医用機器安全管理学実習
再生医療
コース
  分子生物学 細胞生物学
応用生命工学
再生医療工学
再生医療工学実験
専門関連科目   工業デザイン  
上級科目 上級数学Ⅰ・Ⅱ    

在学生・卒業生からのMessage

工学と医療を融合した先端技術。
細胞培養の効率化を図り、再生医療の未来を切りひらく。

 将来は医療に携わりたいとの思いをもちつつ大学を探していたところ、生命医療工学科の再生医療コースのことを知り、進学を決めました。これまで受講してきた授業の中で特に印象に残っているのが2年次の「人工臓器Ⅰ・Ⅱ」です。高校生の頃に影響を受けた医療系ドラマで耳にした専門用語が飛び交う内容で、とても楽しく学びつつ、再生医療をやってみたいというぼんやりとした自分の気持ちが、明確な目標に変わるきっかけとなるものでした。

 4年次からは学内にある技術科学研究所(現:フロンティア理工学研究所)で、岩井 良輔先生の動物細胞工学研究室に所属。細胞を効率的かつ大量に培養させる方法の開発に取り組んでいます。再生医療研究の課題のひとつが細胞の立体化です。臓器や血管など人の体は立体的な構造ですが、今の技術では細胞を培養しても平面状のものしか作れないといいます。私の研究は、培養皿に高分子をコーティングし、その上に細胞を培養して立体化をめざすもので、高分子の温度変化やコーティングする高分子・細胞の密度を調整する実験を繰り返し、より効率的な培養をめざして試行錯誤を重ねています。この研究は、人間の細胞で血管や臓器を再生させることができる画期的な技術として期待されているため、やりがいをもって取り組んでいます。

 卒業後は、医療機器メーカーに就職し、再生医療分野の業務を行います。再生医療はとても将来性があります。大学で培った”ものづくり”と”医療”の学びをいかして、社会で役立つ製品開発に挑戦したいと思います。

 

在学生(4年生)

大梅 有香
京都府立山城高校出身

人工心肺装置などを扱う難しさを実習で実感。
臨床工学技士としてスキルアップし続けたい。

 この学科を選んだのは大学のオープンキャンパスに参加し、心臓手術に不可欠な人工心肺装置を扱う臨床工学技士になりたいと考えたからです。実習の授業では、医療機器を自分で操作することの難しさを痛感し、繰り返し練習。病院実習では人工心肺装置を要する場面に立ち会い、医師と臨床工学技士の緊迫したやりとりを目の当たりにして、命を預かる使命の重さを感じました。今の職場では人工心肺、心血管カテーテル、不整脈デバイスの業務を担っています。患者さんが退院される姿を見るとき、医療機器について医師や看護師に説明して「助かります」と言ってもらえるときに、やりがいを感じます。体外循環技術認定士の資格を取得し、人工心肺に関する力量をさらに高めるのが今後の目標です。

2012年3月卒業

草野 公史
長崎県立猶興館高校出身
佐世保市総合医療センター勤務(長崎県)

※在学生についての掲載内容は2019年3月時点の情報です。