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無機物質化学研究室の大学院生が希土類討論会で研究発表、教員が特別講演を担当

2025.06.10更新学科レポート
[化学科]

無機物質化学研究室の大学院生が希土類討論会で研究発表、教員が特別講演を担当

 2025年5月22日(木)に、岡山県倉敷市の倉敷市民会館にて開催された第41回希土類討論会において、無機物質化学研究室所属で本学大学院理工学研究科自然科学専攻 修士課程1年の山中敦史君(理学部化学科卒業生)が、これまでの研究成果をもとに口頭発表を行いました。また、指導教員である佐藤泰史教授(理学部化学科)は、学会からの招待を受けて特別講演を担当しました。

 山中君は、「Eu2+を賦活したCa-Y-Si-O系蛍光体における結晶サイトと発光特性の関係」と題して発表を行い、Eu2+を賦活した新規蛍光体材料における結晶中のサイト選択性や局所構造が赤色発光特性に与える影響について報告しました。質疑応答では、この物質系の発光寿命特性やEuの酸化状態の制御に関する専門的な質問が寄せられ、今後の研究に向けて有意義な示唆を得る機会となりました。

 一方、佐藤教授は「希土類を基盤とした機能性無機化合物の高純度合成」と題した特別講演を行い、学生時代から現在に至るまで継続して取り組んできた希土類関連材料の研究成果について、約1時間にわたって講演を行いました。講演では、赤色発光を示すEu2+賦活酸化物蛍光体の開発や、希土類元素を主成分とする酸窒化物の新物質探索など、これまでの取り組みとその応用展開を具体的な事例とともに紹介し、多くの参加者の関心を集めました。講演後には、材料設計や発光機構に関する質問が多数寄せられ、活発な意見交換が行われました。

 本討論会では、山中君を含む無機物質化学研究室所属の修士課程1年生4名が、希土類元素に関連する最新の研究発表を積極的に聴講しました。多様な研究事例に触れることで、自身の研究との共通点や相違点を見出し、今後の研究の方向性を考えるうえで有意義な学びの機会となりました。学会という実践的な場で得た刺激や気づきは、今後の研究活動を進めるうえでの重要な糧になると考えられます。本学では、大学院生が自身の研究発表に加えて、学会における講演の聴講や専門的な議論に主体的に参加できるよう、実践の機会を設けています。こうした学びの積み重ねを通じて、学生が着実に専門性と研究的視野を深めていけるよう、今後も支援を継続していく予定です。
 

無機物質化学研究室の大学院生が希土類討論会で研究発表、教員が特別講演を担当