「岡山理科大学ビジョン2026」で、本学が「学生の成長に主眼をおく人材育成拠点」となることを宣言しました。それを実現するために中期目標を設定し、毎年の事業計画を立案・実行しています。
その中期目標にかかげた「教育の充実」の具体的事業計画に「入学者選抜方法の開発」があります。これは、教育は入学してからではなく、入学前から行うものであるとして、入学者選抜の方法について、時代に即した改革をしていこうというものです。さらに、入学者選抜の方法だけでなく、入学予定者の入学前教育などを含めた見直しを行い、入学後の教育と一体となったシステムを検討しようというのが、本学の「入試改革」です。
具体的には、アドミッション・ポリシーに基づき、本学での学びに必要な素養を備え、かつ多様な能力をもつ人材を広く受け入れることができる入学者選抜方法を検討するとともに、本学入学後の学びにつなげていく入学前教育の改革に取り組んでいきます。これは、まさに、「学力の3要素」や「大学入試改革」をキーワードとする高大接続の動きにも呼応した形での改革となります。
そのために、以下のとおり、基本方針を定め、順次、実施していきます。
入試改革の基本方針
入学者選抜における改革
高大接続改革答申で示された「学力の3要素」
(1) 知識・技能
(2) 思考力、判断力
(3) 主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度
に基づき、多面的・総合的に評価する入学者選抜試験の実施に取り組みます。
各入学者選抜試験は、次の基本方針に従い実施します。
総合型選抜では、「基礎的な知識・技能」と、「思考力・判断力・表現力等の能力」と「主体性を持ち、多様な人々と協働しつつ学習する態度」を個人または集団面接により評価します。これらの評価から総合的に判断し、入学生の選抜を行います。
学校推薦型選抜では、「基礎的な知識・技能」を基礎試問、「思考力・判断力・表現力等の能力」と「主体性を持ち、多様な人々と協働しつつ学習する態度」を面接や協働作業などにより評価します。また、「調査書」や「本人が記載する資料等」を積極的に活用します。これらの評価から多面的・総合的に判断し、入学生の選抜を行います。
一般選抜では、高校での学修(知識・技能の習得)を学力検査で評価します。さらに、選択式と記述式の出題を組み合わせることで、思考力・判断力・表現力等の能力を評価します。
その他の入試(帰国生徒、社会人、国際バカロレア、私費外国人留学生)も1または2に従って実施します。
合格から入学・初年次教育へ
入試改革と教育改革を連動させ、入学前教育の充実を行います。
入学前教育で学習する科目は、入学する学科の基礎科目と学力検査の結果を考慮して決定し、入学手続き者との連携を図りながら実施します。特に、高校までの学力の確認や入学後に必要となる知識の補充にとどまらず、入学後の教育にスムーズに移行できる形での取り組みを行っていきます。これにより、ミスマッチを防止し、より早く大学教育に移行・専念できるようにします。(これを「入学前から入学後のシームレスな教育」として、取り組んでいきます。)
具体的な実施内容
「個人面接」の実施
受験生の多様性に配慮し、個人面接を行います。全学のアドミッション・ポリシーのBとDにあげた「コミュニケーション技能」と「主体性と協働性」をみるため、個人面接を導入します。
「基礎的な学力」の積極的な試問
個人面接(総合型選抜、特別推薦入試)や基礎的な学力試問(特別推薦入試)において、より積極的に学力を確認します。基礎試問の教科・科目に「理科(物理、化学、生物)」を追加します。
「高得点科目重視型」の導入
学科での学びに必要な素養を備えている人材を求める選抜方式を導入します。具体的には、高得点科目の配点を高くした判定を行うことで、その分野が得意である入学生に活躍してもらい、本人とともに学科や大学の発展をめざします。
一般入試については、本学は、これまでもマークシート式ではなく、すべての科目で記述式をとってきました。
今後もこれを変更することなく、知識・技能に加え、思考力や判断力、表現力を確認していきます。