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「ハタ」の陸上養殖成功!モンゴルで関係者ら招いて研究成果報告会

2022.09.22更新理大レポート [岡山キャンパス]

「ハタ」の陸上養殖成功!モンゴルで関係者ら招いて研究成果報告会

養殖成功を祝って盛大に開かれた報告・祝賀会

 モンゴルで岡山理科大学とKITAGAWA株式会社(本社・静岡市)が共同で進めている好適環境水®[PDFファイル]による交雑ハタ(キタハタ)の養殖成功を受けた成果報告会が9月4日、首都・ウランバートルで行われました。モンゴルの関係者ら60人余が出席し、モンゴルで初の魚類養殖の成功を祝いました。
刺身や握りずしに行列「おいしい」と好評
 理大からは平野博之学長、富岡直人副学長、山本俊政・工学部応用化学科准教授、獣医学部の国枝哲夫教授、鍬田龍星准教授、井上陽一講師が参加しました。
 報告会ではKITAGAWAの北川雅弘代表取締役社長、平野学長のあいさつに続いて、研究を中心になって進めた山本准教授が「外気温が氷点下30度に達する中でも、地域に供給されていたスチーム暖房のおかげで、順調に成長させることができた」などと、成功の要因を説明しました。
 会場のイベントホールでは、交雑ハタを使った料理がふるまわれ、刺身や握りずし、グリルの前に列ができるなど、「おいしい」と評判は上々でした。

 滞在3日目の5日、平野学長らはウランバートル市内のサテライト・オフィスに設置した2基の10トン水槽などの共同実験施設を訪問。8キロ近くまで育った交雑ハタの生育具合を確認しました。
 
 
海面養殖の6倍という高密度養殖を達成
 共同研究期間は2019年9月23日~2021年11月30日。養殖したのは、いずれもハタ科に属する「タマカイ」と「アカマダラハタ」を掛け合わせた交雑ハタ。約500匹の稚魚はわずか10カ月で平均体重1キロとなり、2年で3キロにまで成長。海水陸上養殖の類似魚種に比べると成長度合いは数倍になりました。また、1立方メートルあたりの生産性は61.49キロで、海面養殖の約6倍という高密度養殖を達成しました。多くの困難を乗り越えて、ここまでたどり着いただけに、山本准教授の指導で養殖に力を尽くしたバトドルジ・アマルトゥブシンさんら、出席した関係者の喜びはひとしおでした。実証実験はひとまず終了しましたが、今後、社会実装に向けて、共同研究を継続していきます。
 
 
 理大一行は6日には教育・研究交流協定を締結しているモンゴル国立教育大学(協定締結2017年)、国立生命科学大学(協定締結2018年)を訪れて、両大学学長ら大学首脳と面談し、今後さらに連携を深めていくことを確認しました。


 

「ハタ」の陸上養殖成功!モンゴルで関係者ら招いて研究成果報告会

壇上に立つ北川社長(左端)、平野学長(右から2人目)、山本准教授(右端)

「ハタ」の陸上養殖成功!モンゴルで関係者ら招いて研究成果報告会

魚体重8kgに成長した交雑ハタ(キタハタ)を抱える山本准教授

「ハタ」の陸上養殖成功!モンゴルで関係者ら招いて研究成果報告会

交雑ハタのすしは大人気でした

「ハタ」の陸上養殖成功!モンゴルで関係者ら招いて研究成果報告会

コロナ禍で日本から訪問できない中で、現地で養殖を支えたアマルトゥブシンさんも表彰されました

「ハタ」の陸上養殖成功!モンゴルで関係者ら招いて研究成果報告会

ウランバートルにある共同実験施設

「ハタ」の陸上養殖成功!モンゴルで関係者ら招いて研究成果報告会

モンゴル国立教育大学の学長と面談する平野学長(中央)と富岡副学長(左端)

「ハタ」の陸上養殖成功!モンゴルで関係者ら招いて研究成果報告会

モンゴル政府幹部と面会する平野学長(左から2人目)ら