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世界初 炭酸塩岩を使ったモンゴル恐竜の年代決定 理大などの国際研究チーム

2020.03.30更新理大レポート [岡山キャンパス]

世界初 炭酸塩岩を使ったモンゴル恐竜の年代決定 理大などの国際研究チーム

モンゴルの地層から発見される炭酸塩岩(カリーチ)

 岡山理科大学を中心とする国際共同研究グループは、モンゴル国の恐竜化石を含む地層へ炭酸塩鉱物のU–Pb(ウラン−鉛)放射性同位体年代分析を適用して年代決定し、その有用性を世界で初めて実証しました。研究成果は、国際科学誌「Terra Nova」(2020年3月26日付)(電子版)に掲載されました。
 
 モンゴル国南部に分布するゴビ砂漠の後期白亜紀層(1億50万年前〜6600万年前)からは、1920年代から約100年にわたって多数の恐竜化石などが発見されてきました。しかし、アンモナイト化石や火山灰層など、恐竜化石含有層の年代決定に有効な化石や特徴ある地層が極端に少なく、広域の地層対比や年代軸の設定が極めて困難でした。このため北米をはじめとする他地域との間の恐竜の移動や進化、多様性の変動などを解明するうえで大きな障害となっていました。
 
 そこで、岡山理科大学、モンゴル科学アカデミー古生物学研究所、レスター大学(英国)の国際共同研究グループは、これらの地層から年代決定に有効な試料を見いだすため、2016年から2017年にかけて、「バインシレ層」の調査を行いました。バインシレ層には、「カリーチ」と呼ばれる炭酸塩岩が含まれています。このカリーチが地層形成時から存在することを現地確認した上で、カリーチに含まれるカルサイト鉱物(カルサイト: CaCO3)を使ったU-Pb放射性同位体年代分析を試みました。
 
 その結果、バインシレ層の、ある層準の絶対年代が約9000万年前であると判明しました。この値はこれまで恐竜動物相の構成などから大まかに推定されていたバインシレ層の年代(約1億年前〜8500万年前)と合致します。
 
 今回の研究では、地層の年代を約9000万年前と特定でき、カリーチを使ったU-Pb年代分析はゴビ砂漠の化石含有層の年代決定に対して有効な手法であることを世界で初めて実証しました。カリーチはモンゴル国ゴビ砂漠の後期白亜紀の地層に全域にわたって含まれていることから、今後、本手法を広く適用することで、いままで詳細にはわかっていなかったモンゴルの地層の年代が特定でき、汎世界的な恐竜化石産地との年代対比が可能になります。これにより、世界規模で恐竜の移動や進化、多様性の変動について、解像度の高い議論が進むことが期待されます。

世界初 炭酸塩岩を使ったモンゴル恐竜の年代決定 理大などの国際研究チーム

モンゴルのバインシレ層を調査する共同調査隊員(2016年)

世界初 炭酸塩岩を使ったモンゴル恐竜の年代決定 理大などの国際研究チーム

バインシレ層から発見される大型恐竜の脚の骨(2016年)

世界初 炭酸塩岩を使ったモンゴル恐竜の年代決定 理大などの国際研究チーム

カリーチの分析に使用した「レーザー照射型誘導結合プラズマ質量分析装置」(理大内)