カリキュラムポリシー(工学研究科)

カリキュラムポリシー(工学研究科)

工学研究科 カリキュラムポリシー

修士課程では、少人数対象の講義や演習などのコースワークによって、社会において高度な技術者・研究者として求められる素養、高度な知識と技能、情報収集・発信に必要な英語力を修得させる。そのためにコースワークでは、各専攻の専門科目に加え、語学力や技術者としての素養を涵養するための工学研究科共通科目と、他分野、学際領域の理解を深めるための学際科目を配置する。コースワークの成果は学期毎に成績評価を行い検証する。また、学生1名に対して教員2名で指導する特別研究を配置し、効果的かつ確実に、課題を見いだしそれを解決するための情報収集、解決手段の立案と遂行、得られた結果の整理と考察を行わせ、合理的な結論へ導く。これらに加え、学会発表などを通して専門的な内容を正確に伝えるための論理的思考力とプレゼンテーション力を修得させるとともに、研究室における活動を通してチームリーダーとしての統率力も身につけさせる。

博士課程では、修士課程で修得した能力に加え、教員による高度かつ専門的な指導を通して、自発的に課題を設定し最先端の理論と高度に専門化された方法で研究を遂行する実践力を身につけさせ、その成果を国内外の学会、学術雑誌で発表させることで、自立した高度な研究者・技術者となるための能力を養う。

応用化学専攻(修士課程)

幅広く高度な知識を身につけるために、講義科目を無機材料化学、有機合成化学、応用物理化学、生物工学、化学工学の5系列に整理し、学生ができるだけ系列を越えた分野から選択できるようにしている。
さらに、学外の研究機関や産業界の第一線で活躍している方による特別講義を開講している。また、社会の中での科学の位置づけへの理解を深めるため、科学技術倫理特論を必修としている。修士論文の作成のために必修科目とされている特別研究では、高度な実験技術や研究関連知識の教授、実験方法、結果の整理法やその解釈についての討論が教員と学生との間でほぼマンツーマンの形で行われている。また、研究室内や学科内での研究結果の発表会も随時行われている。

機械システム工学専攻(修士課程)

ディプロマポリシーを保証するために次の事柄をカリキュラムの方針としている。

  • 高度な専門知識と技術を応用できるために、機械材料学、エネルギー学、計測・制御工学、機械設計・加工学の専門分野から、所要の講義科目を修得する。
  • 特別研究により、機械システム工学に関する問題を発見し、自発的に分析・解決する能力を修得する。
  • 科学技術倫理特論などにより、人と社会の融和に配慮できる技術者倫理を修得する。
  • 修士論文の発表、特別演習などを通じて口頭発表や討議のプレゼンテーション技術を身につける。
電子工学専攻(修士課程)
  • A. 高度専門技術者として必要な電気電子工学技術や情報処理技術を習得するために、人間と自然に対する広い視野と深い知識を基礎として、学部において身につけた基礎知識を深めることができる基礎科目を置き、講義のみならず演習や発表を取り入れて能動的学習を促すとともに、学習の成果物を多面的に評価することにより教育課程編成方針を継続的に評価・検討する。
  • B. 電気電子工学技術や情報処理技術の高度な知識を習得させるとともに、得られた知識を実社会で自在に活用できる応用能力を養成することのできる電子物性、計算機・情報、システム工学、電子応用の4つの系列に編成された専門科目を置く。
    これにより高効率エネルギー利用を可能とする電気電子要素技術やエネルギー制御システム、情報の処理、検知、記憶、伝送、表示を行う光素子や電子素子の材料工学と電子物性、通信工学、集積化技術、これらの基礎と応用及び先端技術を体系的に身につける。学習においては演習や発表を取り入れて能動的学習を促すとともに、学習の成果物を多面的に評価することにより教育課程編成方針を継続的に評価・検討する。
  • C. 自ら問題を発見し、分析、解決する能力および豊かなプレゼンテーション能力を育成するために、課程の2年間を通じて特別研究Ⅰ~Ⅳを配置し、最先端の研究課題の解決過程を能動的・主体的に体験させる。修士論文、修了研究発表会および学内・学外での研究発表等を客観的に評価することにより教育課程編成方針を継続的に評価・検討する。
  • D. 工学研究科において共通に開講される技術英語表現法に加えて、特別研究Ⅰ~Ⅳにおける研究発表や論文作成を通じて、英語力の向上を図る。これら科目については、客観的な知識・理解の指標、学修の成果物等の総合的な評価に加えて、外部の評価テストの状況なども参考に教育課程編成方針を継続的に評価・検討する。
  • E. 工学研究科において共通に開講される科学技術倫理特論や技術者のための知的財産権に加えて、特別研究Ⅰ~Ⅳにおける文献調査や特許申請を通じて、電気電子工学技術者として必要とされる知識・技能および倫理観を身につけさせる。これらについては、学生の主体的な取り組みをルーブリック等を用いて総合的に評価することにより、教育課程編成方針を継続的に評価・検討する。
情報工学専攻(修士課程)

ディプロマポリシーを保証するため、以下のような方針でカリキュラムを構成する。

  • 計算機工学・情報システム・情報通信工学の各系列を設置し、情報工学の幅広い専門分野の高度な科目群を設ける。
  • 社会の要求に沿って情報工学分野の課題を分析し、計画的に研究を進め、自立的・総合的な問題解決ができる能力を養成するために、特別研究Ⅰ、特別研究Ⅱを必修科目として設置する。
  • 論理的な記述、プレゼンテーション、コミュニケーション能力を養成するために、1・2年次の中間発表会、2年次の修士論文発表会における発表、および修士論文の作成を義務づける。
  • 情報技術者としての倫理観をもって判断・行動できる能力を養成するために、科学技術倫理特論を必修科目として配置する。
  • 情報工学分野における指導的立場に立つために、技術力向上を目的とした高度な演習を課する科目を設置する。また実際に実験・実習科目等において、学部生の指導を通して指導的立場を経験させる。
  • 工学研究科共通科目に選択必修科目を設け、幅広い履修を促す。また学際科目の設置により専門分野以外にも見識を広げる機会を設ける。
  • カリキュラムポリシーについては、特別研究Ⅰ、特別研究Ⅱの各ルーブリックによる評価等、客観的指標を総合的に評価することにより継続的に評価・検討する。
知能機械工学専攻(修士課程)
  • 知能的機械を総合的に開発・設計・製造・運用できるようにするために、知能ロボット工学・福祉人間工学・メカトロニクス、ユニバーサルデザインの専門知識とその応用法を身につけさせる。
  • 工学研究科共通科目によって語学力や技術者基礎力を身につけさせる。学際科目によって他分野・学際領域の理解を深めさせる。
  • 修士特別研究によって、主体的設計能力、問題発見能力、問題解決能力などの工学的実践力と、英語を含めたプレゼンテーションやコミュニケーション能力を身につけさせる。
  • 社会の発展に貢献するために人類がこれまで築き上げてきた様々な社会や文化およびその歴史を充分理解すると共に社会における技術者の使命と責任を認識させる。
生体医工学専攻(修士課程)

生体医工学がカバーする専門分野を、共通性の高い2つの系列として編成する。具体的には「医用生体材料工学」・「人間環境工学」を中心とする『生体科学系列』と、「生体情報工学」・「バイオメカニクス」・「医工学」を中心とする『生体工学系列』で編成する。
教育課程の編成に当たっては、各分野の専門知識の教授を目的とする特論科目を開設する。これに加え、複数の専門分野が関連する学際領域の分野についてオムニバス形式の講義を開設し、最新の研究結果や最新のトピックス、および、研究論文の読み方、研究論文のプレゼンテーション方法等も教授する。また、必要に応じて、外部の有識者、特に、医療機器関連企業で永年にわたって製品開発に携わってきた専門技術者を招き、基礎研究から最終的な製品化終了までの商品開発の視点に立ったセミナー等を不定期に実施している。更に、研究者、技術者として必要な倫理について教授する。
また、2年間の修学期間を通じて、指導教員の指導の下、生体医工学分野の特定の先端的研究を行い、その成果を元に修士論文を作成する。作成した修士論文は、最終的に専攻内教員による審査を受けるものとする。

建築学専攻(修士課程)

 学位授与の方針に掲げる基準を達成させるために、以下に示すカリキュラムを設定する。教育課程編成・実施の方針につ いては客観的な知識、理解の指標に加え学修の成果物を総合的に評価することにより継続的に改善を検討する。

  1. 建築学全般に共通する幅広い知識を身につけるため、「建築学特別講義」を初年次から2年次にかけて配置する。計画、構造、 環境・設備、各分野の高度の専門知識を身につけるため、「計画系科目」、「構造系科目」、「環境設備系科目」を初年次から 配置する。これにより、建築学に関わる幅広い分野を興味に応じて学修させるとともに、高度の専門性を修得させる。また、 「学際科目」「工学研究科共通科目」を配置し、社会の課題を総合的に捉え、解決できるための幅広い教養・知識を習得させる。
  2. 初年次から「建築工学設計特別演習」を配置する。これらを履修することで、与えられた課題に対して、主体的に取り 組む姿勢を養うとともに、課題解決に必要な知見と情報を適切に収集し応用でき、解決策を他者に説明し議論を重ねて纏 め上げる能力を身につけさせる。
  3. 「特別研究」において、建築と社会との関わりから生じる問題を自らの力で発見し、それを分析し総合的に研究し、論文 としてまとめ、学会等を通して社会に発信するという、計画立案、論理的思考、成果発信など、課題解決に関わる一連の 能力を高いレベルで身につけさせる。
システム科学専攻(博士課程)
 システム科学専攻では、ディプロマ・ポリシーで示した知識と能力を学生が身につけることができるよう、以下の方針に沿って教育を行う。
  1. 工学研究科の教育研究上の目的を踏まえ、博士前期課程および後期課程のそれぞれにおいて完結性をもたせた教育を行いつつ、博士前期課程から後期課程に至る教育を行うことのできる体系化された教育課程を編成する。
  2. 自立した技術者・研究者として活躍できる高度な知識と技術とともに高度な指導能力を養成するため、指導教員が学生の研究目的にあわせ、個別に研究指導を行える指導体制とする。[DPのA]
  3. 各講座の授業科目は、特別研究とゼミナールにより編成する。ゼミナールにより、専門分野における工学的問題を見いだし、それを解決する能力を身につけさせる。[DPのB]
    特別研究では、理論・実験等の研究指導のもと博士論文を作成し、自立した研究者となるために必要な研究計画能力と遂行能力を培う。[DPのD]
  4. 自立した高度な技術者・研究者として求められる倫理規範を修得できる企業でのインターンシップ科目を専攻共通教育科目として開設する。[DPのC]