工学部カリキュラムポリシー
学位授与の方針に掲げる基準を達成させるため、工学部の各学科において、専門に関わる基礎的あるいは共通的な内容を習得できる科目と、専門性の高い内容を習得できる科目を体系的に配置する。さらに、工学部共通科目を配置し、技術者に必要な素養を身につけさせる。具体的には、学科や年次に応じて、センターとも協力して、次のように専門科目等を体系的に配置する。
- A. 1・2年次では、技術者として求められる汎用的な知識と技能を習得させるため、専門分野に関わる基礎科目と共通科目を配置する。
- B. 3年次では、技術者として求められる専門的な知識と技能を習得させるため、各分野に関わる専門科目を配置する。
- C. 4年次では、技術者として求められる問題解決力を習得させるため、卒業研究を配置する。
- D. 修得した知識と技能に加え、幅広い教養を合わせて他者と協働できるよう、工学部共通科目を配置し、論理的思考力と記述力、コミュニケーション力、プレゼンテーション力などを習得させる。
上記科目における知識量、理解度、能力については、客観的な指標、学習および発表に関わる成果物などを利用して総合的に評価を行い、教育課程を継続的に評価・検証する。
機械システム工学科
機械システム工学では、次のように連続性をもって、基盤教育科目(ライフ・キャリアデザイン系科目、人間・社会科学系科目、科学技術系科目、外国語系科目、ブランド系科目)、数学、物理学などの「基礎科目」から、「共通科目」「材料」「エネルギー」「計測・制御」「設計・生産」の各専門科目、さらに高度な専門科目である「機械コース」と「航空・宇宙コース」までに分かれて、体系的に科目群を配置する。また、基盤教育科目の卒業認定・学位授与の方針(ディプロマポリシー)とカリキュラムの関与度、並びに、各専門教育科目や卒業研究の対応関係を「教育の目標と方針」の別表にそれぞれ示す。いずれの科目も、学修の成果(試験、課題、レポートなど)によって総合的に評価する。なお、カリキュラム全体の改善については、毎年度、ディプロマポリシーの到達度をチェックすることによって行う。
- 機械システム工学の専門知識を理解し、活用するために、数学、物理学、情報処理技術の基礎科目を1年次から2年次を通じて体系的に配置する。教育にあたっては能動的学修の方法を適切に取り入れ、知識・理解・技能の定着を図る。また、社会での活躍や異文化理解のための幅広い教養と基礎知識を習得する上で必要な教養教育科目と外国語教育科目を配置する。
- 新しい機械システムを創造し、また、機械分野の問題を解決する能力を養成するために、機械システム工学の専門科目を2年次から3年次を通じて体系的に配置する。機械システム工学分野の知識と技能を修得するために、機械工学実験、加工学実習、機械のデザイン、創造PBLを配置するとともに、工場見学、インターンシップなどを実施する。教育にあたっては講義と実験・実習の連携を密にし、機械システム技術者としての基礎能力を養成する。
- 工学問題を発見し、自発的に分析・解決する能力、および工学問題に対処する能力を養成するとともに、口頭発表や討議のプレゼンテーション技術向上のために、3年次に創造PBL、4年次に卒業研究を配置する。
- 大学で共通に開講される英語科目に引き続き機械システム工学分野での基礎的なコミュニケーションに必要な英語を継続的に学習することができる専門英語を配置する。
電気電子システム学科
学位授与の方針に掲げる基準を達成させるために、基盤教育科目(ライフ・キャリアデザイン系科目、人間・社会科学系科目、科学技術系科目、外国語系科目、ブランド系科目)、専門教育科目の2つの科目群を置く。さらに、専門科目の中に、基礎科目、共通科目、専門関連科目および「エネルギー」「エレクトロニクス」「情報」の電気電子工学を構成する各分野に対応するための「コース専門科目」を体系的に配置する。いずれの科目も、客観的な知識・理解の指標(試験)に加えて、学修の成果物(レポート等)、関連する資格の申請条件充足数等外部の評価テストの状況等により総合的に評価する。なお、カリキュラム全体の改善については、ディプロマポリシーの到達度を毎年継続的にチェックすることで行う。
- 大学における学びへの適応を計り、電気電子工学分野への興味と関心をもたせる導入教育として学科独特の新入生学修プログラム、電気電子工学の学術体系を支える数学ならびに物理学の基礎的な事項を習得することのできる科目(基礎科目)、および電気電子工学の根幹である電気回路に関する科目を初年次から2年次の春学期にかけて配置する。教育にあたっては講義と演習を適切に組み合わせ、自発的学習を促すべく工夫を行う。
- 電気電子情報通信工学を支える基盤技術を理解できるように、電気工学・電子工学・通信工学・情報工学分野の基礎的科目(共通科目)を2年次から3年次を通じて体系的に配置する。また、専門科目の理論的知識の理解を助けるために、電気電子工学および情報工学の基礎的実験、実習を配置する。教育にあたっては講義に能動的学修の方法を適切に取り入れ知識・理解の定着を図る。また、講義と実験・実習の連携を密にし、実用的な技能を身につけることができるように配慮する。
- 電気電子情報通信工学分野のそれぞれの学問分野を発展させるためのより高度な専門知識を修得できる科目(コース専門科目)を3年次、4年次に配置する。また、電気電子分野の技術者としての素養を養成するため、専門実験および卒業研究を配置する。教育にあたっては講義と実験の連携を密にし、知識の実際的な運用能力の養成に配慮する。
- 大学で共通に開講される基盤教育科目(ライフ・キャリアデザイン系科目、人間・社会科学系科目、科学技術系科目、外国語系科目、ブランド系科目)に加えて、資格取得に関する人文社会系の科目を配置し、教養の幅を広げるとともに総合的な判断力を身につけさせる。
- 大学で共通に開講される基盤教育科目(ライフ・キャリアデザイン系科目)や工学部で共通に開講される就業力育成科目に加えて、学科独特の新入生学修プログラムおよび卒業研究を通じて、社会と主体的・協働的に関わり、社会人として必要とされる知識・技能および倫理観を身につけさせる。
- 大学で共通に開講される基盤教育科目(外国語系科目)に引き続いて電気電子工学専門分野でのコミュニケーションに必要な英語を継続的に学習させるために、専門英語を配置する。
情報工学科
ディプロマポリシーを保証するため、以下のような方針でカリキュラムを構成する。なおカリキュラムは、情報処理学会が策定した「情報専門学科カリキュラム標準」の内容に概ね合致させる。
- 社会での活躍や異文化理解のための幅広い教養と基礎知識を身につけさせるために、1年次~4年次に「基盤教育科目(ライフ・キャリアデザイン系科目、人間・社会科学系科目、科学技術系科目、ブランド系科目)を配置する。また国際的な視野を養うために必要な外国語の基礎能力を身につける科目として、1年次~3年次に基盤教育科目(外国語系科目)を配置する。
- 情報工学分野に関わる数学の知識を身につけさせるために、1年次、2年次において数学科目を配置する。情報工学分野の専門知識を身につけ、それを応用できる能力を養成するために、 主に1年次、2年次において専門基礎科目を、2年次、3年次にコンピュータシステム、コンピュータ応用、情報通信の各専門系列科目を配置し、体系的に専門知識が身につくように配慮する。教育にあたっては、コンピュータ及び情報関連機器を用いた情報処理能力を身につけるために、1年次より3年次まで継続的にコンピュータ機器を使用した実習付講義や実験を配置し、情報機器の利用とそれによる学習が可能なように配慮する。
- 情報工学分野の実験を計画的・協働的に進め、データを収集・解析し、結果をまとめることができる能力を養成するために、1年次~3年次に実験・実習科目を、また4年次に卒業研究を配置する。特に卒業研究においては、情報工学分野の課題の背景を理解し、自らアイデアを考案できる能力の養成も行う。これらの科目の教育にあたっては、自主的に学習を継続することができる能力、チームで仕事をするための能力が涵養されるよう配慮する。また、技術者としての倫理観を身につけさせるための科目を1年次から配置する。
- 1年次~3年次に開講の実験・実習科目、4年次の卒業研究において、日本語による記述力、発表力、コミュニケーション能力を養成する。
各種の情報処理技術を実現するための、プログラミングの基本技能を身につけさせるため、1年次~3年次にプログラミング系の実習科目を配置する。
これらの実験・実習科目および卒業研究を通して、情報工学の知識を応用して計画的に仕事を進め、社会の要求を解決する基礎能力を身につけさせる。
応用化学科
応用化学科のカリキュラムは、基盤教育科目と専門教育科目で構成される。
基盤教育科目は、全学共通の方針に基づき、社会での活躍や異文化理解のための幅広い教養と基礎知識を身につけ、専門教育科目と併せて、学生の資質向上に寄与するものとして配置する。
専門教育科目は、基礎専門科目、共通専門科目、コース専門科目、卒業研究、および専門関連科目などで構成されている。
1年次から2年次にかけて、大学における学びへの適応をはかり、化学を中心とした幅広い分野への興味・関心を引き起こす基礎専門科目と専門関連科目を配置している。これらを履修することで、自然科学の基礎知識を身につける。
実験・実習科目も1年次から履修し、与えられた課題に対して必要な情報を自ら収集し、レポートをまとめ、プレゼンテーションをすることによって、計画立案、論理的思考など、課題解決に関わる一連の技能を身につける。
2年次に共通専門科目を、3年次に応用化学コースとバイオテクノロジーコースのコース専門科目を配置している。これらを履修することで、技術者の基礎となる知識と技能、およびそれぞれの分野の専門的な知識と技能を身につける。
4年次に卒業研究を配置しており、3年次までに修得した知識・技能を活用して、興味のある専門分野についてさらに深く学ぶ。
各年次の科目や卒業研究を通して、技術者としての倫理観を身につける。
建築学科
学位授与の方針に掲げる基準を達成させるため、以下に示すカリキュラムを設定する。教育課程編成・実施の方針については客観的な知識、理解の指標に加え学修の成果物を総合的に評価することにより継続的に改善を検討する。
- 大学における学びへの適応をはかり、建築学の幅広い分野に興味・関心をもたせ、それらに関する知識・技能を習得する上での基礎となる数学や自然科学及び情報技術の基礎を身につけるため、「基盤教育科目(科学技術系科目)」と「共通科目」の一部を初年次から2年次にかけて配置する。また、社会での活躍や外国人とのコミュニケーションをはかる上で必要な幅広い教養と基礎知識を習得するため、「基盤教育科目(ライフ・キャリアデザイン系科目、人間・社会科学系科目、外国語系科目、ブランド系科目)」を配置する。
- 建築学全般に共通する専門知識を身につけるため、「共通科目」を初年次から2年次にかけて配置する。計画、構造、環境・設備、各分野の専門知識を身につけるため、「計画分野科目」、「構造分野科目」、「環境・設備分野科目」を主に2年次から3年次にかけて配置する。これにより、建築学に関わる幅広い分野を興味に応じて学修させ、幅広い専門知識を修得させる。また、コース毎に推奨科目を設け、コースに関わる専門分野を深く学ばせる。
- 初年次から、設計演習を配置する。これらを履修することで、与えられた課題に対して、グループで協調しつつ主体的に取り組む姿勢を養うとともに、計画を図面化し、様々な表現方法を活用して、他者に説明する能力を身につけさせる。
- 4年次における特別研究において、建築と社会との関わりから生じる問題を見つけ、分析し、その解決策を提案し、論文または図面としてまとめ、プレゼンテーションするという、計画立案、論理的思考など、課題解決に関わる一連の能力を身につけさせる。
生命医療工学科
本学科の教育カリキュラムは、多様な生物現象とこれに関わる機能などを通じて、基礎医学、電子情報工学、機械工学、材料工学、医工学などの複数分野に亘る広い専門知識を有し、それらを応用できるように指導する。
「基盤教育科目では、一般教養と技術者としての自然科学等に関する基礎知識および他者とのコミュニケーションを円滑に図るために必要な知識・能力を身につけさせる。
専門科目は以下の通りとする。
- 1年次、2年次には、生命医療工学の基礎となる数学、物理、生物、化学などの理系基礎科目、電気・電子・情報工学、機械工学、材料工学などの工学系基礎科目、医療機器の概要および医学の基礎を知るための科目を置く。(DP:A)
- 3年次には、臨床工学的専門知識(DP:A)を応用でき、問題解決に必要な思考法・表現法を主体的に得る(DP:B)ために、超音波画像診断装置や人工心肺・血液透析装置など医学診断・治療用の実機を使う実習を置く。
- 技術者として医療機器等の開発や関連する基礎研究をできる能力を身につけさせるために、3年次にはゼミナール、4年次には特別研究を置く。学習の成果を実際の課題に応用し、問題解決する経験を養う。(DP:C、D)
- 4年次には、将来、臨床工学技士として病院・企業・研究機関において活躍できる能力を身につけるために、臨床実習などの実地体験学習を置く(DP:C、D)。
以上、いずれの科目も、学修の成果(試験、課題、レポートなど)によって総合的に評価する