工学部長からのメッセージ

工学部長からのメッセージ

学部長からのメッセージ
社会に求められる工学系技術者・研究者へ!
 

工学とは、科学技術の知識を活かして製品を生産するための学問体系です。人類は継続的に科学技術を発展させ、様々な「もの」を作り、改良し、生活を豊かにしてきました。例えば、車両や航空機、船舶などに代表される輸送機器の飛躍的な進歩は、移動時間の大幅な短縮をもたらしています。インターネットのような通信手段の爆発的な普及により、今や自宅にいながら、遠く海外に住む人ともリアルタイムで情報交換できるようになりました。また、近年における医療機器の発展と普及は、医療技術の高度化や多様化をもたらし、大幅な平均寿命の向上に貢献しています。
 
その一方で、2015年9月に国連サミットで採択されたSDGsでも挙げられているように、科学技術の発展に伴い、環境破壊などの問題も浮き彫りになってきました。したがって、これからの工学系技術者・研究者には、スペシャリストとして性能向上や機能向上を追求するだけでなく、ジェネラリストとしてサステナビリティを含めた様々な観点から多面的に判断し、社会の多様な要請に柔軟に対応できる素養が求められます。
 
岡山理科大学工学部は、1986年に応用化学科、機械工学科、電子工学科の3学科からスタートしました。以降35年以上にわたり、工学系の基幹分野を網羅するべく発展を続け、「ものづくり」に携わる工学系人材育成拠点としての地位を築いてきました。今や工学部の卒業生は、中国・四国地方のみならず全国の幅広い業界に就職し、様々な分野で活躍しています。
 
現在の工学部は、機械システム工学科、電気電子システム学科、情報工学科、応用化学科、建築学科、生命医療工学科の6学科で構成され、大学院も含めて約2千人の学生が学んでいます。各学科では、それぞれの専門分野に立脚し、座学だけでなく実験や実習を通じて、基礎力と応用力を十分に修得できるカリキュラムが組まれています。詳細は各学科のサイトをご覧頂ければと思います。また、学部として科学技術倫理や技術マネジメントなどの共通科目を配置するなど、これからの工学系人材に求められる倫理観や多面性にも配慮しています。加えて、すべての学科が大学院博士課程までの充実した教育研究環境を整えています。
 
また、工学部としては、実践的な教育の一環である、産業界や公的機関との共同研究・受託研究も重視しています。実際に、卒業研究や大学院での特別研究において、学生が共同研究や受託研究の課題の一部を担当し、社会人技術者とディスカッションを行いながら、実践力や協働力を養っています。
 
岡山理科大学工学部はこれからも、地域社会の要請を常に意識しながら、産業界の成長と発展に貢献できる、将来のものづくりを担う工学系技術者・研究者の育成を継続していきます。

工学部長 清水 一郎