知能機械工学科卒業
草部 将吾さん
JAXA(宇宙航空研究開発機構)
大学で学んだプロジェクト実行能力と粘り強さを武器に
「宇宙望遠鏡」の研究開発に全力を尽くす毎日
ロボコンプロジェクトを通してマネジメント能力や実行力を培う
子どもの頃からロボットや宇宙が好きで、本格的にロボットを学ぼうと知能機械工学科に進学。機械製図やプログラミング、回路設計などロボットの設計・製作スキルを学んだほか、3年次には学科でチームを組んでロボットコンテストにも出場しました。私はプロジェクトの発起人としてメンバーを集め、リーダーとして進捗状況の管理や資金集めなどを担当。設計から製造まで2ヵ月という短い準備期間ながら、全国の大学や高専が集まる「キャチロボバトルコンテスト」に出場し、初出場ながら決勝リーグに進む成績を残すことができました。この挑戦を最後まで粘り強くやり抜いた経験は、今でも自分を支える糧になっています。
就職活動に際し、JAXAへの挑戦は非常にハードルが高いものでしたが、高度な知識や技術をもった研究職以外にも、技術力とプロジェクトを遂行できる力を備えた人材も必要とされていると考え、チャレンジを決意。私はロボコンのプロジェクトを立ち上げた経験や、リーダーとして培ったマネジメント能力をアピールし、内定を勝ち取ることができました。
宇宙精度の要求に苦悩するも宇宙機の基本的な設計・解析を習得
現在は、研究開発部門 第二研究ユニットに所属。研究を中心とした業務に就いています。メカトロニクスの分野については大学での学びがいきていると感じる一方、宇宙工学に関しては知識の絶対量が不足しており、勉強を続ける毎日です。たとえば、宇宙機の設計には打ち上げ時の振動や、宇宙での熱膨張などによるわずかな変位や変形も考慮するため、ナノ単位(ミリ単位の100万分の1)の精度が要求されます。また、宇宙空間ではトラブルが発生しても修理ができません。機能要求を満たしながら、安定性を考えたシンプルな設計を行うのは、容易ではありませんでした。
入社1年目ながら、宇宙機の基本的な構造設計・解析・試験評価まで、一連のサイクルに携われたことは、大きなやりがいと自信になりました。現在は「静止軌道からの常時観測システム」(※)に関わる「宇宙望遠鏡」の研究開発に携わり、反射鏡の支持パーツの設計や解析、製作に取り組んでいます。
今後は与えられた仕事をやり遂げ、JAXA職員として胸を張って活躍できる人材に成長することが目標です。大学で培った「何としても最後までやり抜く」という粘り強さや実行力を信念に、いずれはJAXAでしかできないことにチャレンジしたいと考えています。