岡山理科大学 第9代学長
平野 博之(ひらの ひろゆき)
学長からのメッセージ
創立者である加計 勉が掲げた建学の理念は「ひとりひとりの若人が持つ能力を最大限に引き出し 技術者として社会人として 社会に貢献できる人材を養成する」というものです。この理念には、本学の門をくぐった学生たちに、自分と向き合い、能力に気づき、そしてこれを最大限に高め、自ら道を切り拓く人物となってほしい、という願いが込められています。
本学は、この建学の理念にもとづき、学生自らが成長を実感できる人材育成拠点となるために「岡山理科大学ビジョン2026」を定め、教育、学生支援、研究、社会貢献を中心とした7つの柱を立てました。ただ、本学がこのビジョンを達成するためには、まず、本学が責任ある高等教育機関として、学生、地域、社会から選ばれる大学でなければなりません。学生から選ばれる大学となるためには、学修者本位の教育の実践を通して、学生が自らの学びを振り返るとともに次の目標を立てられる仕組みを構築し、学びの社会的意味も理解できるよう学修の質を高めていく必要があります。地域から選ばれる大学となるためには、地域社会との学びのマッチングを通して、あるいは地域の文化や歴史を発展・継承していくために、地域を支える人材を育成する必要があります。社会から選ばれる大学となるためには、本学がすでに有する個性的で魅力あるブランドとしての研究シーズにさらに磨きをかけるとともに、新たな知を発掘し育てこれを新たなブランドとし、社会実装を通して、社会に貢献する必要があります。とくに高等教育機関には社会から、SDGs、Society 5.0、カーボンニュートラルなどをキーワードとする様々な具体的な課題の解決も求められています。
本学は、これまで社会的要請に応えるための教育組織の構築に努めてきました。そしてこの春、SDGsにある飢餓、健康と福祉などと関わる生命あるいは生物を基礎とする課題解決、そしてSociety 5.0にあるビッグデータ、データサイエンスなど情報科学に関わる課題解決に資するために、生命科学部と情報理工学部を新たに設置しました。さらに、新たな学びのスタイルとして、入学後に自ら学びを設計することができ、学部を横断して学際的な学びを実現できる、アクティブラーナーズコースも設けました。これら新たな学部やコースを設置することで、本学の教育環境は一層充実したものとなり、多様な学びの機会を与えることができるようになりました。
本学はこれからも、学生、地域、社会から選ばれる特色ある私立大学として、建学の理念と大学のビジョンに基づき、多様性と独創性に富む教育研究を行い、複雑な様相を呈する社会の変化に対応できる人材育成拠点、そして社会の課題解決に資する知識・技術の創造拠点となるために邁進していきます。