教職課程
教員養成の目標
教育職員免許法および同法施行規則に基づき、教育のあるべき姿を認識し、教職および学校の意義や目的、学校教育やこれを取り巻く諸条件の現状と課題、児童生徒の心身の発達やその近年における変化の実態等に対する関心を高めるとともに理解を深め、自らの適性と所属学科の専門分野の学修を踏まえて、中学校または高等学校の教員としての資質能力を総合的に高める。
卒業認定・学位授与の方針(ディプロマポリシー)
- それぞれの専門分野において必要とされる基礎的な知識・技能とともに、中学校または高等学校の教員に求められる基礎的な知識・技能を習得し、それらを活用することができる。
- 幅広い教養を身につけ、自然や社会のさまざまな問題とともに、学校教育に関わる問題に探究心をもち、主体的・協働的に関わることができる。
- 社会人として必要とされる知識・技能とともに、教員として必要とされる倫理観を身につけている。
教育課程編成・実施の方針(カリキュラムポリシー)
教育目標を達成させるために、教職関連科目を体系的に配置し、各科目で身につける資質能力を以下の通り定め、能動的学修の方法に積極的に取り組む。これらの科目については、知識・技能を客観的に評価できる指標と合わせて、学修の成果物や講義内の取り組み、個々の学生の自己評価等を総合的に評価し、教育課程編成方針を継続的に評価・検討する。- A. 当該教科における教育目標、育成を目指す資質・能力を理解し、学習指導要領に示された当該教科の学習内容について背景となる学問領域と関連させて理解を深めるとともに、様々な学習指導理論を踏まえて具体的な授業場面を想定した授業設計を行う方法を身に付けることができる。
- B. 教育の基本的概念は何か、また、教育の理念にはどのようなものがあり、教育の歴史や思想において、それらがどのように現れてきたかについて学ぶとともに、これまでの教育及び学校の営みがどのように捉えられ、変遷してきたのかを理解することができる。
- C. 現代社会における教職の重要性の高まりを背景に、教職の意義、教員の役割・資質能力・職務内容等について身に付け、教職への意欲を高め、さらに適性を判断し、進路選択に資する教職の在り方を理解することができる。
- D. 現代の学校教育に関する社会的、制度的又は経営的事項のいずれかについて、基礎的な知識を身に付けるとともに、それらに関連する課題を理解することができる。なお、学校と地域との連携に関する理解及び学校安全への対応に関する基礎的知識も身に付ける。
- E. 幼児、児童及び生徒の心身の発達及び学習の過程について、基礎的な知識を身に付け、各発達段階における心理的特性を踏まえた学習活動を支える指導の基礎となる考え方を理解することができる。
- F. 通常の学級にも在籍している発達障害や軽度知的障害をはじめとする様々な障害等により特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒が授業において学習活動に参加している実感・達成感をもちながら学び、生きる力を身に付けていくことができるよう、幼児、児童及び生徒の学習上又は生活上の困難を理解し、個別の教育的ニーズに対して、他の教員や関係機関と連携しながら組織的に対応していくために必要な知識や支援方法を理解することができる。
- G. 学習指導要領を基準として各学校において編成される教育課程について、その意義や編成の方法を理解するとともに、各学校の実情に合わせてカリキュラム・マネジメントを行うことの意義を理解することができる。
- H. 教育の方法及び技術(情報通信技術を活用した教育の理論及び方法を含む。)では、これからの社会を担う子供たちに求められる資質・能力を育成するために必要な、教育の方法、教育の技術、情報機器及び教材の活用に関する基礎的な知識・技能を身に付けることができる。
- I. 教育相談は、幼児、児童及び生徒が自己理解を深めたり好ましい人間関係を築いたりしながら、集団の中で適応的に生活する力を育み、個性の伸長や人格の成長を支援する教育活動である。幼児、児童及び生徒の発達の状況に即しつつ、個々の心理的特質や教育的課題を適切に捉え、支援するために必要な基礎的知識(カウンセリングの意義、理論や技法に関する基礎的知識を含む)を身に付けることができる。
- J. 道徳教育は、教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神を踏まえ、自己の生き方や人間としての生き方を考え、主体的な判断の下に行動し、自立した人間として他者と共によりよく生きるための基盤となる道徳性を育成する教育活動である。道徳の意義や原理等を踏まえ、学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育及びその要となる道徳科の目標や内容、指導計画等を理解するとともに、教材研究や学習指導案の作成、模擬授業等を通して、実践的な指導力を身に付けることができる。
- K. 総合的な学習の時間は、探究的な見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力の育成を目指す。各教科等で育まれる見方・考え方を総合的に活用して、広範な事象を多様な角度から俯瞰して捉え、実社会・実生活の課題を探究する学びを実現するために、指導計画の作成および具体的な指導の仕方、並びに学習活動の評価に関する知識・技能を身に付けることができる。
- L. 特別活動は、学校における様々な構成の集団での活動を通して、課題の発見や解決を行い、よりよい集団や学校生活を目指して様々に行われる活動の総体である。学校教育全体における特別活動の意義を理解し、「人間関係形成」・「社会参画」・「自己実現」の三つの視点や「チームとしての学校」の視点を持つとともに、学年の違いによる活動の変化、各教科等との往還的な関連、地域住民や他校の教職員と連携した組織的な対応等の特別活動の特質を踏まえた指導に必要な知識や素養を身に付けることができる。
- M. 生徒指導は、一人一人の児童及び生徒の人格を尊重し、個性の伸長を図りながら、社会的資質や行動力を高めることを目指して教育活動全体を通じ行われる、学習指導と並ぶ重要な教育活動である。他の教職員や関係機関と連携しながら組織的に生徒指導を進めていくために必要な知識・技能や素養を身に付けることができる。
- N. 進路指導は、児童及び生徒が自ら、将来の進路を選択・計画し、その後の生活によりよく適応し、能力を伸長するように、教員が組織的・継続的に指導・援助する過程であり、長期的展望に立った人間形成を目指す教育活動である。それを包含するキャリア教育は、学校で学ぶことと社会との接続を意識し、一人一人の社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を育むことを目的としている。進路指導・キャリア教育の視点に立った授業改善や体験活動、評価改善の推進やガイダンスとカウンセリングの充実、それに向けた学校内外の組織的体制に必要な知識や素養を身に付けることができる。
- O. 教育実習は、観察・参加・実習という方法で教育実践に関わることを通して、教育者としての愛情と使命感を深め、将来教員になるうえでの能力や適性を考えるとともに課題を自覚する機会である。一定の実践的指導力を有する指導教員のもとで体験を積み、学校教育の実際を体験的・総合的に理解し、教育実践ならびに教育実践研究の基礎的な能力と態度を身に付けることができる。
- P. 以上の各科目および「教科に関する専門的事項」に関する科目の自らの履修状況を振り返り、中学校または高等学校の教員として必要な基本的知識・技能を習得したことを確認することによって、教員としての資質能力をなお一層高める有効な方策についての見通しを確実なものとすることができる。
- Q. 小学校および中学校の教諭の普通免許状授与に係る教育職員免許法の特例等に関する法律並びに同法施行規則に基づく「介護等体験」への参加に必要とされる基本的な知識を身につけ、それらを活用することができる。
教育学部
教育目標
教育学部は、建学の理念に基づき、ひとりひとりの若人が持つ能力を最大限に引き出し、様々な体験を通じて総合的教養を身につけ、教育実践を通じて社会に貢献できる人材を養成することを目標とする。
これを実現するために、ゼミやフィールドワーク、ボランティア等の体験・探究活動を通じた学びを重視する。その中で学生が自ら課題を見つけ、考え、理解し、発信する学びのサイクルを通じて「探究する力」と「言葉の力」を養う。また、教員に必要な教科や教職科目の学修に加え、アクティブラーニングの実践力やグローバル時代における教育課題への見識を高めることにより、幅広い知識と確かな使命感を持ち、小中連携や開かれた学校づくり、その他の様々な課題に積極的に取り組み、新たな時代を切り拓くことができる人材の養成を行う。
初等教育学科・中等教育学科に共通の人材養成目標として、次の5つを掲げる。
- 自然科学・人文科学・社会科学の基礎知識を幅広く修得した人材
- 各教科の内容と指導法を修得し、ICT等を活用した教育実践を行うことのできる人材
- 探究する力を身につけ、教育者としての専門性と指導力を発揮できる人材
- 言葉の力を身につけ、豊かな表現力とコミュニケーション力を持った人材
- 確かな使命感をもって、社会に貢献しようとする人材
卒業認定・学位授与の方針(ディプロマポリシー)
- A.知識・理解:体験活動を中心とした学びを通じて、小学校全科または中等教育の国語科・英語科、あるいは日本語教育の教科内容と指導法を修得し、教育実践ができる。社会で活躍できる、幅広い教養を身につけている。
- B. 思考・判断・表現:これからの教育のあり方について、グローバルな視野から考えることができる。
人間・社会に関する諸問題に取り組み、その解決策を提案できる。 - C. 関心・意欲・態度:教職の社会的役割と意義を理解し、教育に関わることへの確かな使命感を理解した行動ができる。
社会人として、積極的に世の中に貢献することができる。 - D. 技能:各教科の教材を分析・開発し、ICT等を活用した効果的な授業展開ができる。社会人としての自分の考えや想いを分かりやすく伝えることができる。
教育課程編成・実施の方針(カリキュラムポリシー)
現代の教育課題に真摯に取り組み、社会に貢献できる教育実践者を育成するため、教育学部の教育課程は、基盤教育科目と専門教育科目によって構成する。専門科目は学部教育の核であり、教科(言語・文化)に関する科目、教職(教育)に関する科目、教育実践に関する科目、グローバル教育課題に関する科目、体験・探究活動に関する科目、卒業研究などで構成する。基盤教育科目は、全学共通の方針に則し、社会人として必要な、幅広い基盤的教養を身につけ、専門教育科目と併せて教育実践者としての資質向上に寄与するものと位置付ける。
- 1年次には、初年次教育ならびに教職の基礎科目、基盤教育科目を重点的に配置し、専門教育と基盤教育をバランスよく学ぶことで、大学生として、また教職を志す者としての知識や自覚を向上させることができるよう配慮している。
- 2年次には、教職の基礎に加え、実践的科目を多数配置し、学習者から教育者への視点の転換を促す科目構成となるように配置している。
- 3年次は、初等教育学科の教育実習が行われる。これは、それまでの学修の到達点を確認する大きな機会となる。中等教育学科においては、4年次春学期の教育実習に向けて、教科の専門性を高めつつ実習に向けた準備を進める重要な時期となる。両学科とも、それまでの学修と、教育者としての学生自身の姿を顧みることでさらなる学びの深化の機会を提供する演習科目を配置している。
- 4年次は、学修の総仕上げとしての教職実践演習および卒業研究が中心となる。ここにおいて、反省的思考や倫理観を強化し、さらに課題解決能力、プレゼンテーション能力を深化させる。
- 全体として、初年次以降の各学年において、専門教育科目の中に実習・演習科目を意識的に配置し、アクティブ・ラーニングを促すカリキュラムとしている。
上記科目における知識量、理解度、身につけた技能については、客観的な指標や学習成果物、発表成果などを用いて総合的に評価し、教育課程を継続的に評価・検証する。