学生編1

学生編1

ラグビー部を創設した獣医学科1期生は超行動派

獣医学部獣医学科1年 ロス・ルーシー・桃子さん

「人が少ないけん、みんながすぐに友だちになれる。今の雰囲気がずっとあったら結構いい大学になると思う」と笑顔が弾けます。

 東京都出身。4歳の時、英国人の父親の仕事の関係で香港に転居し、高校卒業まで香港で暮らしました。母親の実家が愛媛県今治市のため、夏休みになると今治にやって来て、地元の幼稚園、小学校、中学校、高校に通っていました。2016年5月に香港の高校を卒業してからは、重度の認知症の祖母の介護のため、母親とともに今治で生活。口をついて出る日本語は今治弁です。

「地元に獣医学部ができて本当に良かった」

 子どもの頃から動物愛護センターに通い、病気の犬を引き取っては自宅で世話をしてきました。次第に弱っていく犬たちを見て、「何とか自分が治してあげられるようになりたい」と思ったのが獣医師を目指すようになったきっかけです。

 香港の高校で、国際バカロレア(IB)のDP(ディプロマ・プログラム)資格を取得。入試にパスして「地元に獣医学部ができて本当に良かった」と喜んでいます。

 ラグビーにはまったのは?「6歳の時、父親の知人がコーチをしているクラブチームに体験に行き、とても楽しかったのでそのままクラブに入りました」。高校時代はラグビー、ホッケーを中心に陸上競技、水泳、バスケットボール、クロスカントリーなど多彩なスポーツにトライしました。特にラグビーは50m6秒台の走力を生かしてバックスとして活躍。U16(16歳以下)、U19では香港の女子ラグビー代表選手として、MVPに選ばれたほどの本格派です。来日してからも2016年岩手国体、2017年愛媛国体の7人制女子で全試合に出場し、何度もトライを挙げました。

ノーサイドの精神に魅せられて

「試合が終われば敵味方なし、というノーサイドの精神と、チームがみんなでサポートし合うのが楽しい。One for all, all for oneです。ルールを守ってちゃんとプレーしたら、そんなにけがはしませんよ」と、ラグビーの魅力を熱っぽく語ります。

 今治キャンパスが新入生を対象に大三島で行った1泊研修では、宿舎の各部屋を回って部員を勧誘し、昼休みには食堂で学生たちに手作りのチラシを配付。「ラグビー部を作りたいけん、是非参加して」と連日、呼び掛けました。リュックには「部員募集」「体験会開催」のチラシを張り付けてキャンパスを歩きました。こうして女子3人と女子マネジャー1人の計5人が集まり、ラグビー部創設にこぎつけました。当面は女子7人制のチームを目指します。

周囲を巻き込む抜群の行動力/夢はクラブチーム創設

 ラグビー普及のため、週末には西条市の小松ラグビースクールで、小学生にラグビーを教えています。奮闘する彼女の周りには自然に人の輪ができます。今治キャンパスのラグビー部旗揚げの知らせを受けると、周辺の高校や社会人チームからラグビーボールが寄付され、経験者が指導の応援にも駆けつけてくれています。「小松ラグビースクールのコーチの皆さんの素晴らしいサポートのおかげです」と話し、「部員よりボールの数の方が多いんです」と屈託なく笑います。

 ラグビー部顧問を務め、自身も大学時代にラグビー選手だった藤谷登・理大教授は「彼女は超アクティブで、行動力がすごいし、突破力もある。こっちまで応援したくなってしまう」とルーシー評。ラグビー部の練習は木曜日と土曜日。獣医学部1期生たちが真新しいグラウンドで汗を流しています。「文化祭ではラグビー体験会もやりたいし、来年は男子チームを作りたい。6年かけて、小学生から大人まで楽しめるようなクラブチームをつくりたいんです」

 世界で活躍できる獣医師とともにラグビーチーム創設。二つの夢を追いかけるルーシーの情熱が、今治キャンパスに旋風を巻き起こしています。