プロで活躍するロードレーサーは理科教諭志望
「人力で地上最速になれるロードバイクは最高にカッコイイ!!」
長崎県立佐世保南高校2年の時、自転車好きの友人にロードバイクに乗せてもらったのがきっかけで、そのスピード感と「かっこ良さ」に魅了されました。中学校の理科教諭を目指して、理大に入学してから本格的に自転車にのめり込み、昨年4月には自転車競技愛好会を創部。「本気で練習して、大学自転車レースの最高峰のインカレの出場を目指すようになりました」
自転車のロードレースは、一般道や競技用に整備されたコースを数kmから約300km走り、ゴールの順位やタイムを争います。チームの最高成績者の順位によるため、ルール上は個人競技ですが、実態は団体競技と言えます。
スピード感と「かっこ良さ」に魅了
本格的に始めたとはいえ、全くの初心者。岡山県内で開催される大会に出場しては経験を積みました。努力のかいがあって昨年7月のインカレ予選を突破し、目標の本戦出場が実現したものの、全行程170kmのうち120km程走った地点で、先頭とのタイム差が規定超過となり失格。
この悔しさをバネに練習を重ねて、10月には西日本学生の選抜チームの一員に選ばれ、インドネシアで開催された「ツール・ド・シンカラ」に出場しました。ところが、海外での長期にわたるレースや、トッププロのレベルの高い走りに圧倒されて膝を壊してしまい、第4ステージでリタイア。一時、レースを離れて体づくりに専念しました。
最高時速は80kmの世界
今年5月からレース活動を再開。「同世代の選手との交流や海外レースに参戦したことで自分も自転車のプロ選手になりたいと思うようになりました」。そんな中、広島に新設されるプロチームから「うちに入らないか」とのオファーがあったため、迷うことなく決めました。2018年からはプロチーム「eNShare - エルドラード」の所属選手となってプロツアー(Japan Pro Tour)に参戦しています。最高時速は80kmに達する世界です。
「現在のJPTで20番以内に入るのが最優先の目標ですが、将来的にはJPTのルビーレッドジャージ(総合1位)に袖を通せる選手になりたいと考えています。海外のレースへも出場し、高いレベルに挑戦し成長していきたいです。」
自転車競技愛好会には現在、8人が所属し、毎週末に練習を続けています。
学業との両立で熱血先生目指す!
「学業と自転車のプロ選手の両立は大変ですが、スイスの心理学者アレクサンド・ビネーの『一番忙しい人が、一番たくさんの時間を持つ』という言葉を、これからも実践していきたいと思います」。淡々とした口調に強い決意がにじみます。彼なら熱血先生になってくれそうです。
井上選手の主な戦績
2017年5月 | 岡山県選手権 1位 |
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2017年6月 | 中国地域自転車競技大会 2位 |
2017年9月 | 全日本大学対抗自転車競技大会 DNF(リタイア) |
2017年11月 | ツール・ド・シンカラ 第4ステージリタイア |
2018年3月 | 修善寺ロードレース 38位 JPT第4戦 修善寺ロードレース DNF(リタイア) |
2018年4月 | JPT第5戦 東日本ロードクラシック 31位 JPT第6戦 東日本ロードクラシック DNF(リタイア) |
2018年5月 | 岡山県選手権 1位 |