綜合情報學部
人間の営みと情報技術が調和した
豊かな社会の実現を目指して
今や情報技術は社会基盤を構成する重要なインフラになってきています。有線と無線のネットワークが普及し、個人がいつでも、どこでも情報を受信や発信できるようになりました。その結果、社会の中でどのようなことに関心が集まっているかや、全国の交通網や都市の中でどのような人の流れがあるかなどビッグデータからわかるようになりました。さらにAI(人工知能)技術を使いビッグデータから、いわゆる「知識」を取り出して、利用する研究も進んできています。囲碁の差し手をコンピュータが「考え」、世界的棋士に勝利したことや、車の自動運転の判断などに応用されています。また、IoTと言って多くの製品にマイクロチップが埋め込まれ、無線でネットワークにつながる製品も増えてきています。
それら製品から送られるデータが統計的に分析され、製品の稼働率や時間帯別利用頻度などが導き出され、メインテナンスや省エネなどに用いられます。
一方、情報と人間とをつなぐメディアも新しくなってきています。仮想現実VRや拡張現実ARなど、情報技術をつかった3Dモデルと空間認識や現実空間との合成が新しい表現方法を生み出しています。これらはコンピュータゲームの技術発展とも関連しています。また、音声によるコンピュータへの問いかけや、音声での返答も一般に使えるようになってきています。この音声認識もビッグデータから得られた学習データを基に行われています。
このように、現在ではネットワーク接続された情報技術は数え切れないほどの分野や製品、場面に広がっています。
総合情報学部の目的は、「人間の営みと情報技術が調和した豊かな社会の実現を目指し」て教育・研究するとしています。それを実現するために情報科学科は、次の4コースを設けています。Web・モバイルコースは、現代社会の情報インフラの中心的役割を果たしているWebとモバイル機器での情報技術について学び、デジタルメディアコースでは、音楽やグラフィックスなどデジタルゲームの要素やゲームの設計方法などを学び、ビッグデータコースでは、統計手法やAI技術などを用いた大量データからの特徴抽出や可視化などを学び、情報数学コースでは、基本的に数学を学び、そのうえで統計学や科学技術計算を学びます。また、中学校と高等学校の数学の免許取得に対応した科目を用意し、コースに関係なく学ぶことができます。
情報科学科の多彩な教員に加え充実したコンピュータ室がこれらの教育を支えています。
総合情報学部長 北川 文夫