2024.11.01更新学科レポート [経営学科]
「動けば何かが必ず変わる」と語る谷口先生
実務家ゲスト 株式会社たこ八(大阪府大阪市)垣内健祐副社長
左から、本下先生、谷口先生、株式会社たこ八 垣内副社長
実務家ゲスト コンピュータ技研(大阪府大阪市) 松井 佑介社長
授業後の質問タイム
未来予測ではなく「今」を最大限に活かす思考法
エフェクチュエーションとは、未来を予測するのではなく、現在手元にあるリソースや人脈を活用し、柔軟に行動する優れた起業家の思考様式の理論です。あらかじめ綿密な計画を立てるのではなく、リスクを許容しつつ試行錯誤を重ね、状況に応じて方向性を変えていくこのアプローチは、スタートアップやイノベーションの分野で今、注目を集めています。しかし、それ以上に重要なのは、エフェクチュエーションが学べば誰でも身につけられるスキルであるという点です。
谷口先生は、「社会経験がない学部生にエフェクチュエーションを伝えることは、ビジネススクールで社会経験を持つ学生に教えるのとは異なる挑戦です。多くの学部生はまだ起業はもちろん、ビジネスのイメージを持っていないでしょう。しかし、だからこそエフェクチュエーションを学んでほしい。これから先、学生たちが羽ばたいていく未来は、予測ができないこと、大変なことが山ほどあります。そのときに、エフェクチュエーションを知っていれば、ぽきんと折れてしまうようなことはない。自分の手で未来を切り開くチャレンジができるようになるはず。」と語っています。
この授業の導入は、経営学科の本下真次准教授の招聘によって実現しました。本下先生は、「この授業は、エフェクチュエーションの理論を教えるだけでなく、実務者の講演や実践的な体験も重視しています。谷口さんの豊富な人脈により、10月にはエフェクチュエーションを活用して作られたたこ焼きキッチンカーをキャンパス内に持ち込み、学生たちに五感で学ぶ機会を提供しました。また、大阪で漫才師採用を行うユニークなコンピュータ会社の社長を招き、エフェクチュエーションを活用したビジネスの事例について講演していただきました。」と話しています。
「エフェクチュエーションは、2024年の日本マーケティング学会のマーケテイング本大賞に選ばれ、産業界からも注目を集めている新しいビジネス理論ですが、一般にはまだ広く知られていません。今回の授業にエフェクチュエーションを取り入れた岡山理科大学の挑戦は素晴らしいものであり、学生たちに無限の可能性を感じさせ、起業やイノベーションへの意識を広げるきっかけになることを期待しています。」と谷口先生は語ります。
<参考>