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学生が筆頭著者の超伝導理論に関する学術論文の出版

2023.09.14更新学科レポート
[物理学科]

 2023年3月に本学大学院理学研究科修士課程を修了した古谷直也君が筆頭著者の学術論文が、日本物理学会刊行の英論文誌Journal of the Physical Society of Japan9月号に掲載されました。
 この研究はBaPtSbとBaPtAsという蜂の巣型格子構造の物質に焦点を当てています。これらの物質は同じ結晶構造をもち、どちらも電気抵抗がゼロになる超伝導状態が観測されています。最近の実験研究において、特にBaPtSbは時間反転対称性が破れた超伝導体である可能性が示唆されました。時間反転対称性が破れた超伝導体は、近年注目を集めるトポロジカル超伝導体の候補として大きな関心が寄せられています。

 このような背景をもとに、この研究では理論的な観点から、低エネルギー領域における両物質間の電子状態にわずかに差異が生じており、それが超伝導の性質に影響を与えることを明らかにしました。さらに、BaPtSbでは時間反転対称性が破れた超伝導状態が出現する可能性を指摘しました。得られた成果はトポロジカル超伝導に関する理解に寄与することが期待されます。

 古谷君は主要な計算を担当し、詳細な解析を提供するなど、極めて重要な貢献をしています。おめでとうございます。