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中高生のための学会開催/300人で熱気
2022.12.12更新理大レポート
岡山理科大学の研究ライフを紹介する赤木教授(左端)
岡山理科大学賞を受賞した小池さん。左は坂根教授
最優秀賞を受賞した水口さん(右から3人目)を囲む審査員の皆さん
会場には約300人の中学・高校生らが詰めかけて熱気に包まれました
ポスター発表会場では質疑応答の場面があちこちで見られました
昨年大会で最優秀賞を受賞した理大附属高校は今大会、「ニホン ウナギのナワバリとツナガリ」をポスター発表。(左から)太田 悠翔さん、有元大智さん、鈴木拓斗さん、野田利之教諭
ポスター発表の審査・指導にあたった赤木研究室の(左から)原田悠杜さん、小林卓巳さん、長谷建汰さん、槇田隼也さん。右端は赤木教授
若い研究者の登竜門/理大など特別共催
サイエンスキャッスルは、未来を担う若い研究者の登竜門として2012年にスタート。今年は関東(12月3日)、中四国(12月10日)、東北(12月18日)、九州(1月21日)、関西(1月29日)の5大会が開催されています。中四国大会の主催・企画運営は山陽新聞社、中国銀行、株式会社リバネスで、加計学園の岡山理科大学・倉敷芸術科学大学・千葉科学大学が特別共催しました。
口頭発表では、岡山県の4高校、2中学、愛媛県の4高校、香川県の1高校から、12人が登壇し、個人またはグループで研究してきた成果について、7分間のプレゼンでアピール。審査員は理大基盤教育センターの坂根弦太教授ら5人で、研究者の立場から専門的な突っ込んだ質問が相次ぎ、発表者も懸命に受け答えしていました。
最優秀賞は松山中央の水口さん/理大賞は岡山学芸館の小池さん
最優秀賞を受賞した水口さんの研究は、海藻が繁殖しなくなる磯焼けの現行の対策事業にはコストがかかり、大規模工事が必要なことから、安価で手軽な対策を、と昆布由来のグルタミン酸Na(MSG)の鉄分溶出作用と、高校の製鉄実習で生じたスラグを組み合わせた鉄分溶出ユニットの開発です。
岡山理科大学賞を受賞した小池さんの研究は、ウミケムシという海の生物に着目し、その毛や歩幅を人間に置き換えると、水中では人が分速132㍍で、ウミケムシは242㍍、陸上では人が分速78㍍で、ウミケムシは73㍍と、ウミケムシは水陸両方で素早く移動できることを究明。こうした生物の機能から着想を得て、ものづくりや新技術開発に生かす「バイオミメティクス」で、水陸両用のレスキュー機器を提案しました。
坂根教授は受賞理由について、「いろんな動物がいる中でも、ウミケムシに着目して、定量的に動きを記録。それを将来、工学的にレスキューにも役立つのではないか、と発展性もある。生物分野と工学分野といういろんな分野にまたがる夢のある研究」と説明しました。
このほか、最優秀ポスター賞、中国銀行賞、山陽新聞社賞などが表彰されました。
理大での研究ライフを大学院生が紹介
また、会場では「教えて先輩! 岡山理科大での研究ライフ!」と題して、情報理工学科の赤木徹也教授の研究室の大学院博士課程、小林卓巳さんと修士課程の長谷建汰さんが大学での研究生活を紹介。空気でロボットを駆動させる空気アクチュエータなどの研究の面白さを解説するとともに、赤木教授との軽妙なやりとりで、会場を沸かせました。
小林さん、長谷さんを含め赤木研究室の大学院生4人は、岡山大学、広島大学、香川大学、高知大学などの学生・大学院生とともにポスター発表の審査・指導も担当しました。
会場には約300人の中学・高校生・指導教員らが訪れて、各校の熱の入ったポスター発表の前で、熱心に質疑応答する姿が目立ちました。