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生物科学科 「研究室体験プログラム2024」実施レポート4

2024.12.11更新学科レポート
[生物科学科]

生物科学科 「研究室体験プログラム2024」実施レポート4

(写真1)寒天培地に無菌的に乳酸菌を植え付けている様子

 生物科学科では、希望する1年次生を対象に「研究室体験プログラム」を実施しています。応用微生物学研究室では、研究室体験プログラム(乳酸菌の培養と観察)を実施しました。

 まず、微生物を扱う上で不可欠なクリーンベンチ内での無菌操作について学びました。次に、学んだ知識を踏まえて微生物を生育させるために必要な寒天培地を作製し、クリーンベンチ内でできた寒天培地に乳酸菌を植え付けて(写真1)、培養を行いました。培養結果から、乳酸菌が嫌気的(酸素が存在しない、または少ない)環境で良く生育することが確認できました。培養後に乳酸菌特有の酸っぱい匂いがすることも確認しました。さらに、塩(塩化ナトリウム)濃度が異なる液体培地を用いて各乳酸菌の耐塩性を調べる生育試験を行いました。結果として、醤油もろみや生味噌といった塩濃度の高いサンプルから得られた乳酸菌はヒト腸内から得られた乳酸菌に比べて高い耐塩性を有していることが確認できました(写真2, 3)。生物顕微鏡で乳酸菌の細胞観察も行いました(写真4)。

 体験した学生からは「微生物を身近に感じることができ楽しい時間を過ごすことができた」とのコメントがありました。


 

(写真2)耐塩性試験の結果1(ヒト腸内から得られた乳酸菌)

ヒト腸内から得られた乳酸菌は、0, 5, 10, 15%の塩濃度の異なる培地を用いた培養において塩濃度0%の場合でのみ生育を示しました。4本の試験管のうち最も左側の試験管(塩濃度0%)においてのみ菌の生育による濁りが生じています。このことから、試験したヒト腸内由来乳酸菌は塩に耐える性質を持っていないことがわかります。

(写真3)耐塩性試験の結果2(生味噌から得られた乳酸菌)

生味噌から得られた乳酸菌は、0, 5, 10, 15%の塩濃度の異なる培地を用いた培養で塩濃度0, 5, 10%の場合に生育を示しました。4本の試験管のうち最も右側の試験管(塩濃度15%)以外は菌の生育による濁りが生じています。このことから、試験した生味噌由来の乳酸菌は一般的な味噌に含まれる10%程度の塩に耐える性質を持っていることがわかります。

(写真4)顕微鏡観察を行っている様子