2024.11.05更新理大レポート
岡山県教委からの表彰状を手にする江面客員教授
フィリピンの学生たちと岡山市の西大寺五福通りで建築調査(2022年)
フィリピンと江面ゼミの学生による西大寺五福通りの町並み調査(2022年)
フィリピンのスペイン統治下の代表的な住宅様式「バハイ・ナ・バト」
フィジーのレブカの町並み
レブカの町中の様子
フィジーの伝統家屋
ブータンの農家
ブータンでの調査中の一コマ(2016年)
後方はブータンの石工の村(2013年)
江面客員教授の専門分野は日本建築史、文化財修復、町並み保存。文化庁主任文化財調査官から2007年に岡山理科大学に赴任し、建築学科教授、建築歴史文化研究センター長などを歴任、今年4月から同センター客員教授。
現在、岡山県文化財保護審議会会長をはじめ、香川、広島、大分、栃木、沖縄、愛媛各県など各地の文化財保護・保存関係の委員会、審議会などの委員を多数務めているほか、ブータンやフィジー、フィリピンの歴史的建造物の調査研究も行っています。
今回の表彰は、2014年から委員となり、今年9月から会長を務めている岡山県文化財保護審議会での功績が評価されたものです。この審議会は①有形文化財②記念物・埋蔵文化財及び考古資料③無形文化財・民俗文化財及び文化財の保存技術という3分野で、新たな指定や現状変更の可否などについて県教育長からの諮問を受けて、有識者として現地調査などを行って判断し、答申するのが役割です。
同審議会は15人で構成し、江面客員教授のほか、岡山理科大学からは生物地球学部の亀崎直樹教授、亀田修一特任教授も委員となっています。
江面客員教授は今後の目標について、「さまざまな分野で、まだまだ十分に指定が進んでいないので、より多くの物件が指定となるよう努力していきたい」とし、文化財への向き合い方として、「あとは文化財の活用ですね。文化財を単なる保存という枠組みで捉えるだけでは意味がない。実際の教育、ひとづくりに活かしていく。日常生活も含めて価値観の向上を促していくことですね。使うと傷むと考える人もいますが、日本では木造の修理方法が確立されていて、傷んだら修理すればいいんです。活用して、文化というのは何なのかということを、きちっと理解してほしい。今後、日本において、いや世界において、教育と文化は、発展の重要なキーワードになると思っています。文化を理解することは、人類の共生と相互理解の必要性を理解することです。見て素晴らしいというのもいいけど、文化財から我々が何を得ることができるかが大事です。その進展が教育の役割でもあると思っています」と強調しました。