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善木名誉教授に瑞宝中綬章/秋の叙勲

2024.11.05更新理大レポート

善木名誉教授に瑞宝中綬章/秋の叙勲

善木名誉教授

 2024年秋の叙勲が11月3日に発表され、岡山理科大学の善木道雄(ぜんき・みちお)名誉教授が瑞宝中綬章を受章することになりました。伝達式は11月26日に行われます。

 善木名誉教授は山口県生まれ。1966年、岡山大学理学部を卒業後、興国化学工業(現アキレス)株式会社に勤務した後、1970年に岡山理科大学に入り、1984年に理学部教授、2016年から名誉教授。
 専門は分析化学で、川や海などに微量に存在するイオンや、岩石・鉱物中に存在する金属の分析・測定に関わる研究に取り組まれました。物質中に存在する微量成分の含有量を測定するには、その成分と反応して色が変わるなど、何らかの情報が得られる試薬が必要となりますが、善木名誉教授は、その試薬の設計、合成、精製をはじめ、特に水溶液中で高感度に反応して発色する水溶性有機試薬を多く作り、それを種々の分析へ適応させ、試料中における各種成分量の測定(定量分析)を行う一連の研究を推進しました。

 特に大きな評価を得たのが、迅速・高精度の定量と試薬回収を両立した独創的な分析方法の開発・確立です。この業績が認められ、日本分析化学会FIA研究懇談会から2001年にFIA学術賞を、2006年にはFIA論文賞が贈られています。この分析方法は、ゼロエミッション、3R運動、SDGsを指向する時代の要求にも合致した、クリーンかつ効率的・経済的な分析法でした。
 また、岡山理科大学蒜山研究所長や岡山理科大学附属中学校の初代校長などを歴任。「面白く身になる化学」をモットーに、出前授業や講演会、化学実験教室などを通して科学の面白さの普及に努めました。