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ゴリラ研究の最前線から未来へ
ゴリラ研究の最前線から未来へ
2025.10.22更新
理大レポート
[岡山キャンパス]
― 理学部動物学科・竹ノ下祐二教授 ロングインタビュー
岡山理科大学理学部動物学科の竹ノ下祐二教授は、中部アフリカ・ガボン共和国の熱帯雨林で25年以上にわたり野生ゴリラの調査を続けてきた霊長類学者だ。
ガボンには世界の野生ゴリラの約半数が生息するとされ、同国は保全や観光資源としてもゴリラを重視している。
竹ノ下教授は、国際共同研究や保全活動に取り組む一方で、2024年から岡山理科大学に着任。学生と共に研究と教育の新しい展開を進めている。
今回のインタビューでは、研究の歩み、ゴリラ研究の魅力、そして未来の展望について話を聞いた。
万博での発信とガボンとのつながり
―――今回の大阪・関西万博ではどのような活動をされたのですか?
まず、7月のガボンウィークに開催されたセミナーに招かれ、ガボンにおける科学の基礎研究のポテンシャルについて話しました。
また、大阪・関西万博の「生物多様性」テーマウィークで、ガボン館が主催するラウンドテーブルに参加しました。
テーマは「環境政策の意思決定に女性が参画するために」。ガボンの研究者や行政関係者と議論を交わしました。
また翌日の「世界ゴリラの日」には、ガボン館でのイベント運営にも協力しました。ガボンはゴリラ観光を通じた持続可能な発展を模索しており、その活動を日本の研究者として支える立場にあります。
ガボンは“ゴリラ大国”
―――ガボンでの研究について教えてください。
ガボン共和国には、世界の野生ゴリラのおよそ4〜5割が生息しています。私は1999年に単身で調査地を探し、2000年からムカラバ国立公園で研究を始めました。
ただし最初から観察できたわけではありません。ゴリラは人に気づくと逃げてしまう。2002年から「人付け」と呼ばれる慣らしを始め、5年ほどかけてようやく継続的に観察できる群れができました。
ゴリラが見せる“配慮”のふるまい
―――研究の面白さはどこにありますか?
フィールドでの観察と、帰国後のデータ解析を往復させながら研究を進めています。
例えば果実が不足しているとき、シルバーバック(リーダーのオス)が下で休みながら待ち、群れがバラけないようにする場面があります。
仲間への“配慮”のように見える行動が、群れの安定につながっているのです。
―――今後の研究目標は何でしょうか?
大きく2つあります。1つは「ゴリラの一生を追うこと」。群れを出て行った個体がどこで暮らし、どのように一生を終えるのかを追跡し、生活史を明らかにしたい。
もう1つは「血縁のないメス同士がどうやってうまくやっているのか」。群れの中での気遣いや衝突回避の仕組みを研究することです。
人間を知る手がかりとして
―――ゴリラ研究は人間社会とどう関わるのでしょうか。
ゴリラの研究は、人間を“特別な存在”だと思い込む視点を揺さぶってくれます。
群れの協力関係や役割分担を知ることで、人間社会の「当たり前」を見直すきっかけになる。
単純に「ゴリラがこうだから人間もこうすべき」ではなく、考えを深める材料になるのです。
動物好きではなかった学生時代
―――先生はもともと動物好きだったのですか?
実はそうではありません。高校時代は文系で、大学も文学部志望でした。
歴史好きの本好きで、動物には関心がなかったんです。
転機は大学2年の教養授業で霊長類研究を知ったこと、屋久島でのニホンザル調査に参加したことでした。
大学3年で理学部に転部し、大学院進学を決意。大学に入ってからやりたいことが大きく変わったのです。
高校生・在学生へのメッセージ
―――これから大学を目指す高校生や、進路に悩む在学生に一言お願いします。
志望動機をきれいに言う必要はありません。まず出会ってみることです。
知らない授業も「とりあえず興味を持って」受けてみてください。思っていたのと違っても大丈夫。
違う自分に出会うのは当たり前です。18歳で人生を決めつけず、柔軟に進んでほしいと思います。
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教員プロフィール
竹ノ下 祐二(たけのした・ゆうじ)
岡山理科大学 理学部動物学科 教授。鹿児島県出身。京都大学大学院理学研究科博士課程修了(理学博士)。
大学院時代から中部アフリカでゴリラ・チンパンジーのフィールド調査を開始。
1999年よりガボン共和国ムカラバ国立公園で野生ゴリラの長期調査を継続。専門は霊長類学、動物行動学、生物多様性保全。
JICAプロジェクトや科研費による国際共同研究を推進。2024年より岡山理科大学に着任。
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動物学科のHPはこちら
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― 理学部動物学科・竹ノ下祐二教授 ロングインタビュー
岡山理科大学理学部動物学科の竹ノ下祐二教授は、中部アフリカ・ガボン共和国の熱帯雨林で25年以上にわたり野生ゴリラの調査を続けてきた霊長類学者だ。ガボンには世界の野生ゴリラの約半数が生息するとされ、同国は保全や観光資源としてもゴリラを重視している。
竹ノ下教授は、国際共同研究や保全活動に取り組む一方で、2024年から岡山理科大学に着任。学生と共に研究と教育の新しい展開を進めている。
今回のインタビューでは、研究の歩み、ゴリラ研究の魅力、そして未来の展望について話を聞いた。
万博での発信とガボンとのつながり
―――今回の大阪・関西万博ではどのような活動をされたのですか?
まず、7月のガボンウィークに開催されたセミナーに招かれ、ガボンにおける科学の基礎研究のポテンシャルについて話しました。また、大阪・関西万博の「生物多様性」テーマウィークで、ガボン館が主催するラウンドテーブルに参加しました。
テーマは「環境政策の意思決定に女性が参画するために」。ガボンの研究者や行政関係者と議論を交わしました。
また翌日の「世界ゴリラの日」には、ガボン館でのイベント運営にも協力しました。ガボンはゴリラ観光を通じた持続可能な発展を模索しており、その活動を日本の研究者として支える立場にあります。
―――ガボンでの研究について教えてください。ガボンは“ゴリラ大国”
ガボン共和国には、世界の野生ゴリラのおよそ4〜5割が生息しています。私は1999年に単身で調査地を探し、2000年からムカラバ国立公園で研究を始めました。
ただし最初から観察できたわけではありません。ゴリラは人に気づくと逃げてしまう。2002年から「人付け」と呼ばれる慣らしを始め、5年ほどかけてようやく継続的に観察できる群れができました。

―――研究の面白さはどこにありますか?ゴリラが見せる“配慮”のふるまい
フィールドでの観察と、帰国後のデータ解析を往復させながら研究を進めています。
例えば果実が不足しているとき、シルバーバック(リーダーのオス)が下で休みながら待ち、群れがバラけないようにする場面があります。
仲間への“配慮”のように見える行動が、群れの安定につながっているのです。
―――今後の研究目標は何でしょうか?
大きく2つあります。1つは「ゴリラの一生を追うこと」。群れを出て行った個体がどこで暮らし、どのように一生を終えるのかを追跡し、生活史を明らかにしたい。
もう1つは「血縁のないメス同士がどうやってうまくやっているのか」。群れの中での気遣いや衝突回避の仕組みを研究することです。

―――ゴリラ研究は人間社会とどう関わるのでしょうか。人間を知る手がかりとして
ゴリラの研究は、人間を“特別な存在”だと思い込む視点を揺さぶってくれます。
群れの協力関係や役割分担を知ることで、人間社会の「当たり前」を見直すきっかけになる。
単純に「ゴリラがこうだから人間もこうすべき」ではなく、考えを深める材料になるのです。
―――先生はもともと動物好きだったのですか?動物好きではなかった学生時代
実はそうではありません。高校時代は文系で、大学も文学部志望でした。
歴史好きの本好きで、動物には関心がなかったんです。
転機は大学2年の教養授業で霊長類研究を知ったこと、屋久島でのニホンザル調査に参加したことでした。
大学3年で理学部に転部し、大学院進学を決意。大学に入ってからやりたいことが大きく変わったのです。
高校生・在学生へのメッセージ
―――これから大学を目指す高校生や、進路に悩む在学生に一言お願いします。志望動機をきれいに言う必要はありません。まず出会ってみることです。
知らない授業も「とりあえず興味を持って」受けてみてください。思っていたのと違っても大丈夫。
違う自分に出会うのは当たり前です。18歳で人生を決めつけず、柔軟に進んでほしいと思います。
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教員プロフィール
竹ノ下 祐二(たけのした・ゆうじ)
岡山理科大学 理学部動物学科 教授。鹿児島県出身。京都大学大学院理学研究科博士課程修了(理学博士)。
大学院時代から中部アフリカでゴリラ・チンパンジーのフィールド調査を開始。
1999年よりガボン共和国ムカラバ国立公園で野生ゴリラの長期調査を継続。専門は霊長類学、動物行動学、生物多様性保全。
JICAプロジェクトや科研費による国際共同研究を推進。2024年より岡山理科大学に着任。
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