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宇宙養殖・栽培めざして「アルテミス・プロジェクト」スタート/東岡山工業高
2024.05.30更新理大レポート [岡山キャンパス]
野菜の育ち具合を見る山本准教授
アクアポニックスで栽培しているバナナ(左)とトマト(右)
10カ月で大きく成長したメバルたち
タマカイを収容する水槽を確認する山本准教授
生徒たちにエールとアドバイスを送る山本准教授
生徒たちも真剣な表情で聞き入っています
生徒たちの手で建設が進むアクアポニックス設備
このプロジェクトは、宇宙開発が現実的なテーマとなっている中、未来を見据えて、好適環境水を使って宇宙で、食糧となる魚を養殖し、同時に植物も生産するためのノウハウを蓄積していこうという先進的な取り組みです。プロジェクト名は、米国主導の国際月探査計画にちなんで名づけました。
同校では機械科、電気科、電子機械科、工業化学科、設備システム科の全科が連携して昨年7月、好適環境水の水槽でメバル約50匹の養殖実験を開始。そのメバルが排出した窒素、リンなどを養分として野菜を栽培し、魚に有害なアンモニアなどを除去した水を再び水槽で使う「アクアポニックス」に取り組んでいます。装置はほとんど教員と生徒たちの手作りです。生徒たちは毎日、塩分濃度や水質、水温をチェックし、魚の様子などを観察。当初、50㌘ほどだったメバルは130㌘にまで育ち、栽培品種もトマトやメロン、バナナまで広がっています。
今年度は新たに中庭に大型のアクアポニックス設備を建設しているほか、実習室の一つを「アクアポニックスルーム」として、新たに装置も自作。6月にはハタ科の高級魚「タマカイ」の稚魚約50匹の養殖に着手します。
この日、山本准教授は、生徒たちに向かって「養殖実験は計測機器だけに頼らず、自分の目で魚の動きをしっかり観察し、ちょっとした変化を見逃さないようにして対応することが大切」とし、アクアポニックスに適した植物については、「耐塩性のある春菊、トマト、シーアスパラガス、アイスプラントなどが向いている」「宇宙では完全に無換水であることが必要」などと自らの研究を基にアドバイスしました。