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和気町の森林公園に「鹿ソニック」「いのドン」を試験設置/高・低周波でシカやイノシシを撃退
2022.11.04更新理大レポート [岡山キャンパス]
「いのドン」を取り付ける(左から)辻教授と轟さん。下のスピーカーから低周波が発射されます
「猪鹿ドン」の設置を完了した(左から)辻教授と轟さん。中央部の黒いスピーカーが鹿ソニック
スクールバス仕様ワゴン車への「鹿ソニック」の取り付け方を町職員に説明する轟さん(中央)
和気美しい森は、町北部の標高395メートルの山間部にある自然公園。園内にはキャンプ場や多目的広場、トリムコース、バンガローなどがあり、年間約2000人の利用客が訪れる人気スポットです。
ところが、最近になって周辺にイノシシやシカがひんぱんに出没するようになり、利用者にとっても危険なため、和気町役場内で対策を検討する中、「鹿ソニック」と「いのドン」を知り、企業と共同開発を進めている岡山理科大学教育推進機構の辻維周教授に試験設置を依頼しました。
この日は、多目的広場わきのイノシシの通り道の山道2カ所に「いのドン」と、「いのドン・鹿ソニック」の合体版「猪鹿ドン」を設置。辻教授と、共同開発している山梨県の自動車部品メーカー「T.M.WORKS」代表取締役の轟秀明さんが二人がかりで鉄製の支柱を立て、電源用の太陽電池パネルや装置、スピーカーなどを手際よく、取り付けていきました。動物が近づくと、センサーが感知して装置が作動する仕組みです。
低周波は100~130ヘルツ、高周波は13キロヘルツ~18キロヘルツで、低周波が広範囲に響くため、和気町はキャンパーへの影響についても調べています。
また、町内ではシカなどが出没する山間部を走るスクールバス(昼間は町営バス)仕様のワゴン車にも、鹿ソニックを試験的に設置しました。
辻教授は「野生動物と人間との距離が最近非常に近くなってしまったため、車やバイクとの衝突事故や農地・キャンプ場に動物が入り込む事例が激増しています。この装置で少しでもお互いの距離を保てるようにするのが、最終的な目標です」と話しています。