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CGRP経鼻投与による恐怖記憶を和らげる研究結果が、英国科学雑誌「Scientific Reports」に掲載されました

2022.01.28更新学科レポート
[臨床生命科学科]

CGRP経鼻投与による恐怖記憶を和らげる研究結果が、英国科学雑誌「Scientific Reports」に掲載されました

 橋川成美准教授、橋川直也准教授らの研究グループは恐怖体験をしたマウスにCGRPを経鼻投与すると恐怖記憶を和らげることを発見しました。以前の研究結果よりCGRPを直接脳内に投与したところ、同様の結果が得られていました。しかし、人への応用を考えた時、脳に直接注射することは非現実的です。CGRPは非常に小さいタンパク質で、血管内に投与しても代謝されてしまい、脳まで届きません。そこで、今回は鼻腔内で脳と直接つながっている経路(nose-to-brain経路)を利用してCGRPを投与しました。その結果、脳室内投与と同じ効果が観察され、経鼻投与によっても恐怖記憶の保持を和らげる作用があること、転写調節因子であるNpas4の発現量増加により起こることを明らかにしました。Nose-to-brain経路は日本で非常に活発な研究が展開されている分野です。本研究の成果は恐怖ストレスに対する新たな治療ターゲットにCGRPがなりうることが期待されます。

https://www.nature.com/articles/s41598-022-05518-y

本研究はJSPS科研費(21K07532), ウエスコ学術振興財団2020 の助成を受けて行われました。