カリキュラムポリシー(情報理工学部)

カリキュラムポリシー(情報理工学部)

情報理工学部カリキュラムポリシー

 情報理工学科は、卒業認定・学位授与の方針(ディプロマポリシー)の達成のために、教育課程を基盤教育科目、専門教育科目の2本の柱を軸として教育課程を編成する。
 基盤教育科目に「ライフ・キャリアデザイン系」「人間・社会科学系」「科学技術系」「外国語系」「ブランド系」の系列科目群を設置する。
 専門教育に関しては、「情報技術を核とした人間の機能拡張」を学びのキーコンセプトにして、情報理工学に関する多様な学びの実現を目指す。これを実現するために本学部は1学部1学科体制を取る一方で、体系的な学びのシステムとして5つの専門コースを設置し、所属するコースにおける専門的知識・技能を養成するとともに他コース科目の履修により、より広い思考・判断・関心・意欲を涵養する。この目標を達成するために以下のように各科目を各年次に配当する。

  1. 成長を実感し、社会人で活躍する能力を深めるために、基盤教育科目を置く。
  2. 1・2年次に基礎・共通科目として、情報理工学の学修にとって基本的な知識である数学、物理学、機械工学、情報科学を配置する。また、基本的な技能であるコンピュータプログラミングやロボット製作を身につける科目を置く。思考・判断・表現力を育成するため、ロボット製作ではPBL(Project Based Learning)を採用する。基礎・共通科目は「数学基礎」「情報基礎」「工学共通」の3つの科目群に分類・配置する。
  3. 2・3年次に専門分野の知識・技能を学ぶコース科目を配置する。特に情報理工学の技術が人間生活や社会活動においてどのように人間の能力と活動の可能性を拡張しているのかについて教育する。各コースの教育内容を体系的に教育するため、分野ごとの多様かつ系統的な学びの機会を確保する。
  4. 3・4年次に総合科目を配置し、基礎・共通科目、コース専門科目で学んだ知識・技能を総合するものとして、「プロジェクト科目Ⅰ」「プロジェクト科目Ⅱ」「卒業研究Ⅰ」「卒業研究Ⅱ」の各科目を置く。各科目の過程で、専門知識を統合した思考・判断・表現力を養成し、社会における情報理工学の果たす役割への理解、情報理工学の利点を生かした自身のキャリアパスに対する関心と意欲を涵養する。

 コース専門科目は専門体系の細目となるユニット科目群を配置している。ここで、ユニット科目群とは専門科目群を体系的に分類した科目群を表し、学生にとって科目選択を系統だって履修するための目安や指針となる。

① コンピュータサイエンスコース科目
 コンピュータサイエンスコースは、現代社会のインフラストラクチャーであり、情報理工学の中心技術である情報科学とコンピュータネットワーク技術の基礎について教育する。コースの対象とする主な分野は数学、情報科学、ネットワークセキュリティであり、「数理ユニット」、「情報セキュリティユニット」、「コンピュータシステムユニット」の3つのユニットで構成する。
(ⅰ)「数理ユニット」では情報科学の理論的基盤となる現代数学(解析学、幾何学、代数学、確率論)の概念的基本的な枠組みと情報科学への応用を学ぶ。
(ⅱ)「情報セキュリティユニット」では現代のインターネット技術を基礎として情報通信におけるセキュリティの基本的な考え方と技術を学ぶ。
(ⅲ)「コンピュータシステムユニット」は現代のインターネット技術を支えている情報処理システムならびに関連したソフトウエアの基本的な知識、技術を学ぶ。

② AI・データサイエンスコース科目
 AI・データサイエンスコースは、データを大量に集積することで人間の認知力・判断力をより高め拡張するため、ビッグデータの分析、機械学習、AIプログラミング技術について教育する。コースの対象とする主な分野は機械学習・AIプログラミング、データ処理技術の基礎と応用であり、「AIユニット」、「データサイエンスユニット」の2つのユニットで構成する。
(ⅰ)「AIユニット」では機械学習、自然言語処理など現在のAI関連技術の基礎知識、プログラミング技術、実践的なデータ処理への応用を学ぶ。
(ⅱ)「データサイエンスユニット」では大規模なデータ処理の基本となるアルゴリズム、データベースシステム、コンピュータシステムの知識、プログラミング技術について学ぶ。

③ デジタルゲーム・メディアコース科目
 デジタルゲーム・メディアコースは、ゲーム制作のプロセスを通じて現実から本質をなす要素の抽出とシミュレーションによる再構成、及び人間の感覚の基礎を学び、XR(仮想現実、拡張現実、複合現実)を通じた人間の経験の範囲の拡張について教育する。コースの対象となる主な分野はデジタルゲームやメディア制作の技法、及びその基礎となる感性工学・XR技術であり、「デジタルゲームユニット」、「メディアユニット」の2つのユニットで構成する。
(ⅰ)「デジタルゲームユニット」ではゲーム制作を主な題材とし、ゲーミフィケーションの考え方を軸にして、身体の延長としての機械と人間の親和性や表現手段としてのXRについて学ぶ。
(ⅱ)「メディアユニット」では映像・音響表現と人間の感覚の関係を学び、人間の体験や経験の拡張を支援する機器の応用について学ぶ。

④ AIロボティクスコース科目
 AIロボティクスコースは、人間の身体的な機能に対し、ロボットの製作、AIを用いた制御を通じて工学的・構成論的アプローチから理解する方法の基礎について教育する。コースの対象となる主な分野はロボットシステム構築とその知能化手法であり、「ロボティクスユニット」、「知的システムユニット」の2つのユニットで構成する。
(ⅰ)「ロボティクスユニット」ではロボットの設計・開発・製造に必要な知識・技術を学ぶ。
(ⅱ)「知的システムユニット」では機器の自動制御、管理などの機械工学分野へAI技術を適用するための基本的な知識・技術について学ぶ。

⑤ メカトロニクスコース科目
 メカトロニクスコースは、機械・電子・情報工学を融合するシステムを設計・開発・製造するための知識、ならびに人間工学・ユニバーサルデザインの知識を学ぶ。それと同時にこれらの技術、知識が社会の中でどのように組み入れられていくか、人間の活動の範囲をどのように拡張するかについて教育する。コースの対象となる主な分野はメカトロニクス、人間工学、ユニバーサルデザインであり、「メカトロニクスユニット」、「人間工学・ユニバーサルデザインユニット」の2つのユニットで構成する。
(ⅰ)「メカトロニクスユニット」ではセンサやアクチュエータなどの要素設計、組込み技術の知識・技術を学ぶ。
(ⅱ)「人間工学・ユニバーサルデザインユニット」では人間機能の拡張に向けて、人間の感覚や認知とアフォーダンスとの関係といった人間の基本的な機能と支援技術(assistive technology)について学ぶ。