動物学科3つのポイント

動物について個人の興味に
応じて多角的に学べる

野生動物が生息する、
優れた研究環境

小型哺乳類が飼育され、
珍しい標本を多数所蔵している
たくさんの家庭でペットが飼われている一方で、野生動物の被害により廃業する農家が出たり、固有の動物が絶滅したり、鳥インフルエンザなどの動物が媒介する病気が増えてきています。本学科では、こうした日本の状況を踏まえ、解剖学、生理学、生態学などの動物学の基礎を幅広く学習。「人間社会と動物たちとの新しい関係」を構築するため、動物資源学、動物保全学といった応用分野や各種の実習を通して、実践力のある人材の養成に努めています。
4年間の学びの流れ

動物学の基礎や生命倫理などを幅広く学ぶ
解剖や生理、遺伝といった動物に関する基礎科目のほか、化学や地学、パソコンの使い方などを学びます。高校で生物、化学、物理、数学を履修していない人のために入門科目も開講されます。

さまざまな実習で実践力を磨く
生化学などの専門科目に加え、実習科目で動物の研究方法について実践。野外での調査研究を中心とするか、飼育研究を中心に取り組むか、3年次以降に学ぶ方向性について考えます。

応用科目とゼミで分析・判断力を育成
動物資源育種学など応用的な科目を学ぶことで、人の社会と動物がどのような関係をもっているのかを理解。秋学期からは各分野の研究室に仮分属し、卒業研究の下準備を始めます。

自分で選択した分野で動物を究める
卒業研究のテーマは、基礎的なものから応用的な研究までさまざま。
研究対象となる動物も、哺乳類、鳥類、両生類、魚類、昆虫など、多岐にわたります。
学ぶ領域・分野
生化学
動物の体内に摂取された物質が、化学的、生物学的反応を繰り返し、組織の構築やエネルギー源となっていることを理解する。
動物生殖学
哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類など、さまざまな動物に おける性と生の特徴を、内分泌学的、生理学的、行動学的に学ぶ。
動物社会学
動物の社会性を、生態系内の進化の結果としての異種との棲み分け、同種内での個体間の行動を通してとらえ直す。
動物系統分類学
動物の各分類群における体の構造・特徴を知り、長い生命の歴史の中で、どのように進化してきたかを把握する。
動物遺伝学
古典遺伝学と、近年の分子遺伝学を理解するために基礎知識を整理し、生命現象としての遺伝の大筋をつかむ。
実験動物学
食品、医薬品など、ヒトの生活に動物が果たしている役割や、動物を扱う上での倫理観について理解する。
動物比較解剖学
体の基本構造を変化させる脊椎動物が環境に適応するための基本構造パターンを学ぶ ほか、進化の道筋を概観する。
動物保全学
生物多様性の保全の考え方を理解したうえで、希少種を守り生態系をよりよく維持する方法論を、事例を通して議論する。
カリキュラム(専門教育科目)
選択科目 選択必修科目 必修科目
1年次 | 2年次 | 3年次 | 4年次 | |
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基礎科目 | 動物誌/動物生理学 動物比較解剖学 動物機能解剖学/動物遺伝学 情報リテラシー パソコン演習 動物と人間 進化動物学I/進化動物学II |
生化学 | 卒業研究Ⅰ・Ⅱ | |
専門科目 | 動物系統分類学 | 環境考古学/細胞遺伝学 植物系統分類学/環境地球化学 動物環境学/動物行動学 生態学/動物発生学/霊長類学 動物保全学/自然人類学 脊椎動物学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ/比較免疫学 動物生殖学 微生物学 動物生理・生化学実習 動物遺伝学実習 動物発生学実習 野外調査実習 動物解剖学実習 |
専門英語I・II 植生学/応用統計学 環境地質学/環境科学 寄生動物学/実験動物学 動物関連法規 動物資源育種学/動物社会学 動物生態学/集団遺伝学 動物病理学/動物学ゼミナール 動物実験・検査学実習 動物保全・育種学実習 |
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教員養成 プロジェクト科目 |
教職基礎演習 | 野外実践指導実習Ⅱ 理科教材開発指導/授業実践演習 教職のための化学/教職のための生物 教職のための地学 教職のための物理 教職のための文章表現法 |
教職のためのプレゼンテーション | |
専門関連科目 | 化学基礎論I・II 物理学基礎論I・II/地学基礎論I・II |
化学基礎実験 物理学基礎実験 地学基礎実験 |
※履修モデルはこちら
在学生・卒業生からのMessage
在学生(4年生)
小倉 瑞葵
大阪府立寝屋川高校出身
ヌートリアの飼育を通してコミュニケーションの大切さを実感。
小さい頃からとにかく動物が好きで、動物の行動や生態について学びたいと思い、理大へ進学しました。1年次から飼育係としてヌートリアと触れ合ううちに、その生体にどんどん興味を持つようになりました。
私が研究しているのは、ヌートリアの嗅覚による個体の識別能力について。ヌートリアは目よりも鼻がいいといわれています。世話をしていると、ヌートリアが人によって威嚇をすることがあったので、匂いで人を識別し、好き・嫌いを判断しているのではないかと考えました。動物のお世話は毎日のことなので、チームの協力が必須。動物だけでなく、他人とのコミュニケーションの取り方も学べた4年間でした。
卒業後は動物関係の仕事に就きます。お客さまや同僚とのコミュニケーションを大切にし、動物にとってより良い環境をつくっていきたいです。
2014年3月卒業
堀瀬 捺穂子
岡山県立岡山一宮高校出身
ルーラルカプリ農場勤務(岡山県)
発生の仕組みを直接観察できて「わかった!」
出産や乳しぼりに詳しい「ヤギのプロ」が目標です。
生き物が好きだった私にとって、大学の授業は驚きの連続でした。
動物発生学の授業では、受精卵の殻を少し割ったり、黄身をビーカーに移したりしてヒヨコになる様子を直接観察でき、さまざまな発見がありました。卒業研究の対象は、巻貝の一種イボニシです。3ヵ所の海で採取した約500のイボニシを調べ、環境汚染によるメスのオス化現象が、漁港で多く発生していることをつきとめました。
現在はヤギ農場で出産の立ち会いや子ヤギの育成、乳しぼり、加工販売などを担当。ワクチンなどの使用を抑えた、自然に近い飼い方に努めています。大学で身につけた、自主的に調べる姿勢が役立っています。牧場の拡大やヤギの認知度アップを今後の目標にしつつ、販売先から「ヤギのことなら堀瀬さんに」と頼られる存在に成長したいです。
※在学生についての掲載内容は2022年3月時点の情報です。