生物地球学科3つのポイント

教育・研究を展開

幅広い分野を総合的に学べる

本学科では、生物・植物の生態や自然現象、考古学など地球をとりまくすべてが学びの対象です。さまざまな分野を横断的に学べ、「植物・園芸学」「動物・昆虫学」「地理・考古学」「地球・気象学」「天文学」「恐竜・古生物学」の6コースを用意。フィールドワークで観察し、手で触れて調査し、実験や体験から得られた情報の分析を通して、学生自身が課題を発見して解決を図る能力を育成します。資格取得のバックアップにも力を入れています。
4年間の学びの流れ

各分野への興味を育て、基礎学力を強化
基礎科目を通じ、植物・園芸学、動物・昆虫学、地理・考古学、地球・気象学、天文学、恐竜・古生物学の概要を習得。基礎学力を伸ばしながら、コンピュータを用いた情報解析も学びます。

専門科目を中心に知識を増やす
専門科目と、実習中心の選択必修科目を選択し、各系統の知識と分析技術を深く学びます。フィールドワークを体験する選択科目では、データ解析、レポート作成にも取り組みます。

コースに分かれて専門科目で応用力を身につける
進路や興味に応じて6つのコースから1つを選び、より専門性の高い知識や技術を習得します。必要な科目を履修することで学芸員の資格を取得できます。

研究室を選び、卒業研究に取り組む
研究室を選んで所属し、卒業研究に取り組みます。フィールドワークや研究を通して知識を深め、自ら考えることや工夫を重ねることで将来にいかせる経験を積んでいきます。
学ぶ領域・分野
植物・園芸学
細胞遺伝学、系統進化学、生態学など幅広く植物学を学ぶ。園芸学では園芸作物や観賞植物について学ぶ。
地理・考古学
自然や社会について地図をいかして分析する地理学や、遺跡を分析する考古学を学ぶ。遺跡発掘や測量も実施。
天文学
天文学を基礎から広く学ぶ。講義で天体の知識を深め、測光や分光の観測実習を行い、天体からの光の情報を解析する。
動物・昆虫学
水生脊椎動物や昆虫についての生態学、行動学、生理学、環境動物学などを学ぶ。野外調査と室内実験で研究を進める。
地球・気象学
気象学、地質学、鉱物学など地球科学の知識と技術を身につける。自然災害やヒートアイランド現象のメカニズムも学ぶ 。
恐竜・古生物学
野外での化石発掘調査を基本に、実物標本による古生物学、古脊椎動物学、比較解剖学、地質学、堆積学などを学ぶ。
カリキュラム(専門教育科目)
選択科目 選択必修科目 必修科目
1年次 | 2年次 | 3年次 | 4年次 | ||
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基礎科目 | 生物地球概論Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 野外調査法実習Ⅰ 生物科学概論Ⅰ/園芸学概論 考古学概論Ⅰ/地理学概論 地球科学概論Ⅰ/天文学概論Ⅰ エコ・ツーリズム技法 インターネット 情報リテラシー |
野外調査法実習Ⅱ 生物科学概論Ⅱ/考古学概論Ⅱ 地球科学概論Ⅱ/天文学概論Ⅱ 古生物学概論 生物学実習 地理考古学基礎実習 天文地学実習 コンピュータプログラミング 応用統計学 天文・地球気象学のための数学Ⅰ・Ⅱ |
人類学概論 | 卒業研究Ⅰ・Ⅱ | |
専門科目 | 植物・園芸学科目 | 細胞遺伝学/植物系統分類学 植物生態学/植物形態学 |
系統地理学/植生学/資源植物学 植物園芸学実習 |
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動物・昆虫学科目 | 自然史研究法/動物行動学 環境生理学/昆虫科学 動物生態学 |
昆虫生理・生態学/進化生態学 水圏生態学 環境動物学/島嶼生物学 動物学実習 |
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地理・考古学科目 | 歴史学 | 環境考古学/考古科学/日本地誌 自然人類学/日本考古学 先史考古学/人文地理学 |
自然地理学/東アジア考古学 欧米考古学/技術考古学 地域統計学/考古地理学 世界地誌/地理考古学実習 |
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地球・気象学科目 | 防災気象学/環境気象学/地質学 鉱物学/天気図解析/地質図学 地球化学/地球システム科学 地震学/水理学 |
砂防学/測量地理情報システム 大気物理学/気象予報の流体力学 土木地質学/土質・岩盤力学 地学実習 |
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天文学科目 | 天文学史/天体力学 | 天体物理学Ⅰ・Ⅱ 天文データ解析/天文観測実習 |
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恐竜・古生物学科目 | 恐竜学Ⅰ/古環境学 動物系統学/古脊椎動物学Ⅰ |
恐竜学Ⅱ/古生態学/古哺乳類学 堆積学/古脊椎動物学Ⅱ 古生物学実習 |
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上級科目 | 生物地球特別講義Ⅰ・Ⅱ | 野外博物館実習A(植物) 野外博物館実習B(動物) 野外博物館実習C(地理考古) 野外博物館実習D(地球気象) 野外博物館実習E(天文) 野外博物館実習F(恐竜古生物) 専門英語Ⅰ・Ⅱ |
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専門関連科目 | 物理学基礎論Ⅰ・Ⅱ 物理学基礎実験 化学基礎論Ⅰ・Ⅱ 化学基礎実験 |
※履修モデルはこちら
在学生・卒業生からのMessage
在学生(4年生)
國米 英吏子
岡山県立井原高校出身
豪雨で身近になった水害を、地理学の面から調査・研究。
高校時代から海外の地形や生活を知れる地理の科目が好きでした。ただ進学先を決める際、人の営みや地形に関していろいろなことに興味があって選びきれず、その分野が幅広く学べるということで、この学科を選びました。
研究では、西日本豪雨で水害が身近になったことから、実家近くを流れる芦田川の近代の氾濫について調べています。フィールドワークでは、現地に足を運んで初めて判明することが多く、過去一度も被害のなかった土地でも西日本豪雨の際には浸水していた、という事実も分かりました。
調査に際して市役所への問合せや訪問など、自分で考えて動くという経験を通じて、主体的に学ぶことの大切さを実感しました。また今後、自身の研究を伝えていける場があれば、防災・減災の面で役に立てたいと改めて思いました。
2016年3月修士課程修了
武田 豊希
大阪府立貝塚南高校出身
株式会社放送衛星システム勤務(埼玉県)
大学で夢を追究し憧れの世界を仕事に。
細心の注意で衛星放送の安定供給を支えています。
大学では、電波望遠鏡などを使った天体観測を通じて天体を解析する研究に注力。宇宙に対する興味が増し、衛星放送事業を支える当社に入社しました。
業務を行っている衛星管制センターは、地球の周囲を周回している放送衛星をコントロールするのが役目。衛星からの位置情報や温度情報など何万という膨大なデータを解析し、不具合が発見された場合は、直ちに信号を送って修正の指示を出します。責任は重大ですが、事故の予兆をすばやく事前に察知し的確に処理を行えたときには大きな達成感があります。
学生時代は、宇宙という未知の世界を探り“探究心”を養うことができました。安定的な放送を供給し続けるため、理大で培った精神で知識・スキルとも磨きをかけ信頼される人材になりたいです。
※在学生についての掲載内容は2022年3月時点の情報です。