2016年
大学院工学研究科
機械システム工学専攻修了
機械システム工学専攻修了
上田 祐輔さん
日本貨物航空株式会社(千葉県)
現役最後まで空の安全に貢献する使命を背負って。
理大の「研究力」を支えに努力する日々。
子供の頃の憧れを実現し飛行機の運行の安心・安全を支える
航空業界に憧れを抱いたのは、小学生のときに見た人気ドラマがきっかけ。“機械いじり”が好きで、手先が器用だったこともあり航空整備士をめざすようになりました。高専時代に工学を学ぶうちに、「もっと工学を追究したい」と、エンジニアをめざすように。そのために大学に進学し、そのまま大学院へ。理大で流体工学を追究するうちに、製造業の研究職にも興味を持つようになりました。メーカーからも内定をいただいたために悩みましたが、最終的には、子どものころから目標にしていた航空業界を選択。現在は、航空会社の技術部門でエンジニアとして働いています。
主な担当は、航空機の操舵システムと油圧システムに関するエンジニアリング業務。日々発生するトラブルの原因究明や、航空機の改修検討業務などを通じて、航空機の安全運航を支えるのが仕事です。また、航空整備士が整備作業に使用するマニュアルに不備がある場合は、その修正や改定なども担当。さらには、新しい作業手順の設定や素早く安全に整備作業を行うための、作業手順の改良などにも携わっています。
多種多様な国籍・企業と連携して幅広い業務を担当
今の部署は、航空機や部品メーカーなど国内外の企業担当者と直接関わる機会も多く、世界のさまざまな人々と連携し協力し合いながら業務を行っています。国や文化は違っても、エンジニアとしての立場は同じです。双方がお互いの意図をくみとり共感し、理解し合えたときは大きな感動を覚えます。こうした業務を行ううえで大いに役立っているのは、理大で取り組んだ研究の数々。大学や大学院時代に行った流体力学の実験や、コンピュータ・シミュレーションを通じて得た知識・経験に随分と助けられていると感じます。最近では、航空機部品などの脱落防止策を検討するためのワーキンググループに参加。航空各社や研究機関が連携して行う取り組みにも携わるようになりました。航空機のシステムは大変複雑で広範囲にわたるため、その全容を把握するには、まだまだ知識と経験が足りません。今後、さらに努力を積み重ねて航空機システムに精通したエンジニアとなり、航空機の安全運航に貢献したい。当社の今後を支えてくれる、次世代機種の導入にもエンジニアとして関わりたい。そんな想いで、日々の業務にあたっています。これからも常に目標を持ち続け、自分に与えられた使命を全うしたいと思います。