OB・OG Voice 7

OB・OG Voice 7

 
2018
工学部
バイオ・応用化学科卒業
相田 浩範さん

ホクト株式会社勤務(福岡県)

「生きた商品」の扱いを学んだ学生時代。
業務に不可欠な「検証」「考察」する姿勢を培う。

学びをいかせる職場でデリケートな「きのこ」を育てる

 

 幼い頃から昆虫や魚を飼ったり家庭菜園に熱中したりと、動植物が大好きな子どもでした。そのため、理大のバイオ・応用化学科に進学。学びのなかで微生物や菌類に興味をもつようになり、乳酸菌を研究する研究室へと進みました。菌を培養し育てる当社は、まさに大学の学びの沿線上。自分の学んだことを活かせると考え入社しました。現在は、自社オリジナルのヒラタケを菌の状態から育成する部署で働いています。
 
 業務内容は、培地から芽を発芽させ出荷できるまでに育て上げることです。きのこ類は非常にデリケートな植物。乾燥しすぎていたり温度設定が間違っていたり少しでも雑菌が交じると、とたんに生育に影響します。このように、きのこの発芽には、すべてにおいて細心の注意が必要です。大学でも菌の培養の実験を繰り返していましたが、同じ設定でも扱う人や実験環境によって結果がまったく違うことがありました。経験を重ねることで、結果を丁寧に検証し深く考察するといった態度を身につけることができ、今の仕事にいかされていると感じます。

さまざまな商品・業務を経て誰にも負けない「きのこ職人」へ

 学生時代は、淡水・海水両方の魚を育成可能な好適環境水で魚の養殖を行う愛好会「アクアネイチャークラブ」に所属。水産物の理大ブランドである「理科大青うなぎ」の育成から出荷までを行っていました。水のpH濃度などを逐一チェックするなどして、水質の管理には常に気をつかう毎日を送っていました。農作物であるきのこ類とは種類は違いますが、商品としての“生き物”を扱うという点では同じ。こうしたサークルでの活動などを通して、今の業務のベースとなる心構えを培うことができたと思います。
 
 今の仕事の面白さは、まったくゼロの状態から完成品までに携われること。きのこは、どんなに丹精込めて育てても、思うように育たなかったりすることがままあります。それでも、自分が丹精込めて育てたヒラタケが、パッキングされて出荷するのを見届けるときには感慨深いものがあります。これからは、ヒラタケだけでなく他のいろいろな商品の育成に関わり、さらには、菌を培養するなど他の部署も経験して誰にも負けない知識と経験を深めたいと考えています。最終的には、「きのこ職人」として、誰からも頼りにされる人材になりたい。それを最終的な目標として、頑張っているところです。