OB・OG Voice 1

OB・OG Voice 1

 
1972
理学部
応用化学科卒業
徳山 勝敏さん

古河電池株式会社 相談役

“挑戦者”はチャンスを逃さない
「徳山哲学」を後進たちへ引き継ぐ

「理科大では人を育てることを学びました。それはその後の人生でも大いに生きましたね。理科大に行って本当に良かったと思います」
柔和な表情に穏やかな語り口調。一言ずつかみしめるように話す姿が印象的です。
 広島県尾道市出身で、1、2年生の時には自宅から大学まで往復4時間かけて通学。うち3時間は「電車内学習」というハードな毎日。3年目の専門課程からは下宿生活が始まりました。

一番の思い出は?

 「書道部の活動や赤木(靖春・現加計学園理事)ゼミでの実験に没頭しながら、麻雀・酒盛りを通じて、異文化で育ってきた多くの友人をつくることができたことです」と相好を崩しながらも、「赤木先生には学問に対して妥協を許さない厳しい姿勢を学びました。人を育てる思いやりと熱意があふれていました」ときっぱり。新婚間もない教授宅にゼミ仲間と何度も押し掛け、「家庭料理でもてなしてもらったことも忘れられない思い出」と言います。

 2011年の東日本大震災発生時。副社長として福島県いわき市で勤務していた時、突然、赤木先生(当時は千葉科学大学学長)から安否を気遣う電話がかかってきました。「徳山君、大丈夫か」。卒業後、40年もたっているのに覚えていて、気にかけてくれていた。「この時の感激は言葉に表せません。本当に勇気づけられました」と力が込もります。

 人を大事にする。後輩たちがその背中を見て育つ。先輩に対する尊敬の念があれば、先輩も後輩たちを正しい方向に引っ張り上げていってくれる――という好循環。「それを赤木先生から教わりました。社会に出てからもそれは活きましたね」

 2012年代表取締役社長に就任、2017年取締役会長、2018年から相談役を務めます。

後輩たちへのアドバイスを――。

「常に『挑戦者』であってほしいということ。そのためにはまずやってみるという『初動力』が必要です。それから発想を切り替えてみる『変換力』、失敗を成功につなげる『失敗力』ですね。失敗を恐れないで、どんどん挑戦してほしい。失敗は後々に全て肥やしになります。それがどんどん進化していって、どんな対応でもできるようになります」。さらに「チャンスを逃さないこと、よくチャンスは貯金できないと言いますが、常に愚直に粘り強く準備をしておく、それが運を呼び込みます。チャンスが素通りする前に、それに反応する。それが初動力になり、変換力になり、失敗を恐れないで成功に導いていくというサイクルを生みます」。ビジネスの最前線を生き抜いてきた「徳山哲学」だけに説得力があります。

 昨年、赤木先生に「僕もそろそろ現役を外れる年になってきているんですよ」と漏らすと、「君は何を言っているんだ。僕は君より10歳年上だけど、まだ社会貢献できるようなことをやっているぞ」と一喝されたそうです。「さすがだと思いましたね。いつまでたっても教え子は、やっぱり教え子ですよ」と笑顔がこぼれました。