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大学院生の研究成果が学術誌に採択されました。

2025.01.27更新 学科レポート
[獣医学科][獣医保健看護学科]

 岡山理科大学大学院獣医学研究科博士課程1年生(1期生)の西阪祐希さんが、小野文子教授・渡辺俊平准教授らと共に実施したネコカリシウイルスに関する研究成果が学術誌「Virus Research」に採択されました。この研究は、獣医学科と獣医保健看護学科間の共同研究を基盤に、地域の動物病院や複数の研究機関、ボランティア団体(青島猫を支援する会)などの協力を得て行われました。2020年、愛媛県の離島である青島で発生した感染症の調査により、既存のウイルスとは異なる新たな系統のネコカリシウイルス(FCV)が発見されました。一部の猫では貧血や下痢などの非典型的な症状が確認されたことやウイルスの配列は愛媛県周辺地域で検出される定型株と近縁の遺伝子配列を有していたことから、定型株が遺伝子変異を獲得して通常よりも高い病原性を発揮した可能性が示唆されました。検出されたFCVは、通常のネコ用ワクチンと比較的高い共通抗原性を有していたことから、通常のワクチン接種により同感染症に対する一定の感染予防効果が期待できることも判明しました。

 岡山理科大学は、2024年の世界大学ランキングにランクインし、教育・研究の国際的評価を得ることができました。今治キャンパスの開放的で協調的な研究環境のもと、地域社会と連携した実践的な研究を推進しており、本研究はその成果の一つです。岡山理科大学獣医学部と大学院獣医学研究科は、地域発の課題解決を通じて動物の健康と福祉に貢献しています。