わからないことが多いから
昆虫を追いかける

化のなかで生きてきた

昆虫は地球上で最も種類の多い生物。4億年も前から、この星に生息し、独自の進化を遂げてきました。一方で彼らは常に厳しい環境の変化にさらされています。特に大きな影響を与えるのが季節。昆虫は自分の体温調整ができない変温動物のため、寒くて植物が葉を落とす冬の対策が欠かせません。卵のまま過ごしたり、幼虫になって暖かい土の中にもぐったり、昆虫によってそれぞれ違います。どのように季節の移り変わりを知り、どのように乗り切るか、それを解明する研究に取り組んでいます。

生物地球学部 生物地球学科
中村 圭司 先生

虫は季節がわかる

北から南まで日本中を歩き回って、昆虫を捕まえます。たくさんのサンプルが必要なので、一週間くらい泊まり込むことも。捕まえてきた昆虫は温度と日照時間の異なる条件で飼育し、長い時間をかけて細かく観察していきます。その結果、ほとんどの昆虫は、温度よりも日照時間の影響を大きく受けていることがわかりました。これは1年という長い周期で考えた場合、気温よりも日の長さのほうが安定していて、正確だということ。昆虫に限らず、多くの動物にもあてはまる現象です。

境対策のヒントとして

害虫についての研究は進んでいますが、害虫以外の昆虫については、わからないことがたくさんあります。なにしろこれまでに確認されたもので100万種類も生息しているのですから。通常の実験のように「仮説を立てて検証していく」だけではなく、まず「どうなっているのだろう?」という興味をもって実験と観察を繰り返します。昆虫の生理的なメカニズムは予測がつかない驚きの連続です。今、人間によって自然環境が変化していくなか、昆虫はどのように適応していくのか。そこから生物が生存していくためのヒントが見えるかもしれません。