文人も、犬派だった。

ペットの定番、犬。今や日本人の5人に1人が犬を飼っている。「実は縄文人も犬を飼っていました」そう語るのは、富岡先生。発掘した骨から過去を読み解く「考古学」の専門家だ。「ただし、原始時代はペットとしてでなく、猟犬として、大事な生活のパートナーとしてともに暮らしていたと考えられます。犬は高い探査能力を、人は知恵を出し合い、協力して狩った獲物を共に分け合いました。お互いの能力認めればこそ一緒に暮らし始めたのでしょう」。現代のペットと主としての関係より深い信頼関係を築いていたと考えられるのだと言う。福島県薄磯貝塚(縄文時代)で、おもしろい事実が見つかった。「発掘された犬の骨に骨折の治療痕があったのです。つまり、猟犬として利用できなくなった犬を、縄文人が世話していたと推測できます」。人間と犬。種を超えた深い関係は、長い時間をかけて築かれた。

総合情報学部 生物地球システム学科
富岡 直人 先生

の方程式は、経済学で解ける?

高校生のみなさんには馴染みのうすい経済学。一見、難しそうに思うかもしれないが、「誰もが無意識に経済学をしている」と三原先生は語る。「たとえば、どうすれば親からたくさんお小遣いをもらえるか、考えたことがあると思います。これは『ドラ息子定理』という有名な定理を用いて説明することができます」。 このように、先生の研究室では、社会活動のあらゆる事例を数式でひも解いていく。これを理論経済学といい、なぜ好きなのにケンカしてしまうのか、なぜ人は結婚したがるのか、など恋の方程式も数式で表せてしまう。興味さえあれば、すぐに理解できますよ」。三原先生は現在、少子高齢化が経済に及ぼす影響について研究中だ。

総合情報学部 社会情報学科
三原 裕子 先生

26.3cmの靴をつくれる企業が、勝つ時代。

あなたが最近ハマったお菓子は何?消費者にブームがあるように、企業にも開発方法のブームがある。マーケティングを専門とする山口先生によると「今は『顧客主義』がブーム。消費者が何を求めているか考えて商品を開発しています。これからは『顧客起点』。つまり、一般の消費者が商品開発そのものに参加する時代がやってきます」。わかりやすい例で言うと、オーダーメイド。オシャレ大国イタリアでは、ほとんどの人が革靴をオーダーメイドするそうだ。「店側は色やデザインはもちろん、サイズも26.3cmなど細かい注文まで対応します。まさに、顧客起点の先駆けですよね」。日本でも、あるプロ野球球団は、ファンと一緒になってグッズをつくるなど顧客起点の消費者参加型戦略を始めている。もしかしたら、あなたの声が、ヒット商品を生む日がくるかもしれない。

総合情報学部 社会情報学科
山口 隆久 先生

竜の足跡ハンター、世界を飛び回る。

「恐竜」と聞くと、興味や好奇心をくすぐられる人が多いかもしれない。およそ6600万年前に絶滅したといわれる恐竜だが、いまもたくさんの研究者が世界中で発見される化石などの手がかりから、その生態を明らかにしようとしている。そんななか「足跡」からリアルな恐竜の姿に迫ろうとしているのが石垣先生だ。足跡の化石を見ると、恐竜がどんな姿勢で、どのぐらいのスピードで歩いていたのかが解析できると先生は言う。「恐竜の足跡の化石は、普通の人が見るとただの穴ぼこかもしれませんが、これは地球が現代に残してくれた、足跡という暗号で書かれた手紙なのです。そこに秘められたメッセージを読み解き、論文や図解という形で現代の人々に伝えていくのが私の研究なのです」。先生の研究フィールドはワールドワイドだ。恐竜の足跡の化石が大量に見つかったアジアのモンゴルやアフリカのモロッコにも、たびたび出かけているという。今後は、意欲のある学生をこうした海外の化石発掘現場に連れていき、現地での調査を体験させたいと先生は考えている。「恐竜の研究は、工学のように人々の暮らしにすぐに役に立つものではありません。でも、人々のイマジネーションを刺激して、発想や知識の幅を広げてくれる。人間の文化を豊かにする上で意義のある研究であり、興味をお持ちのみなさんとぜひ一緒に取り組みたいですね」。

生物地球学部 生物地球学科
石垣 忍 先生

史的建物を蘇らせ、岡山を盛り上げる。

岡山市にある日本三名園のひとつ「後楽園」の近くに、明治時代に建てられた醤油屋の古い建物がある。すでに廃業しているが、岡山の歴史的な遺産であるこの「福岡醤油」の貴重な建物を保存し、新たな観光スポットにして地域を盛り上げていこうというプロジェクトに関わっているのが、弥田先生の研究室だ。「地域住民の方や様々な分野の専門家と一緒にプロジェクトを組み、この建物をどう活用していくか、定期的にミーティングを開いて話し合っています。そうした会に研究室の学生たちも出席し、議論に加わっています」。そんななかから、この福岡醤油の建物内でお酒や食事を楽しめる場をつくろうという企画が生まれ、“たまりバー”と名づけたイベントがこれまで数回開催されている。そこで使われるカウンターやテーブル、イスなどは、学生たちが自らデザインした。このイベントは、地域の方々も巻き込んで毎回大盛況。世間からも大いに注目を集めている。現在は、研究室の学生たちが福岡醤油の建物内を再測量し、長く保存するための耐震や防火の仕組みを検討しているところだ。「研究活動を通して社会に貢献し、クリエイティブな建築家になってほしい」というのが弥田先生の思い。みなさんも岡山に訪れた時は、ぜひこの「福岡醤油」に一度足を運んでいただきたい。

工学部 建築学科
弥田 俊男 先生