理大の栞理大50周年



その47[太陽電池の電力]  解説

 

 光は、エネルギーを持っています。たとえば、晴れた日、太陽に当たったアスファルトはとても熱くなりますね。これは、光のエネルギーが熱に変わっているのです。
 太陽から発せらるエネルギーは 3.8×1023kW ですが、150,000,000km も離れている地球でも、真夏の正午の場合、1平方メートルのパネルに、約1kWものエネルギーがふりそそぎます(図1)。この光のエネルギーを吸収して、電気的なエネルギー(電力)に変えようというのが「太陽電池」です。



(図1)太陽電池の原理

 光のエネルギーを直接的に電力に変換するには、「半導体」を使います。この半導体には N型半導体と、P型半導体の2種類があります。太陽電池は基本的に、このN型とP型の半導体を積み重ねた構造をしています(図1)。
 図2は、N型の半導体です。化学記号のPはリンで、Siはシリコンです。ここにある赤い●が動きやすい自由電子です。一方、図3がP型の半導体で、Bはホウ素です。これは、逆に電子が足りないホール(白い○のところ)を持っています。

 


(図2)N型半導体

(図3)P型半導体

 この2つを接合すると、N型半導体からP型半導体へと自由電子が逃げ出して、ホールに入っていきます。電子が逃げ出した後のN型半導体は電子が足りなくなるので、プラスに帯電します。同様に、余分に電子をもらったP型半導体はマイナスに帯電します。このために、接合部分に電界が生じます。
 基本的には、この状態で安定するのですが、ここに光をあると、その大きなエネルギーによって、N型半導体には自由電子が、P型半導体にはホールが生じます。しかし、N型半導体に生じたマイナスである自由電子は、P型に行こうとしてもマイナスに帯電していますから、はじかてしまいます。同様に、P型半導体に生じたプラスのホールも、プラスに帯電したN型に行くことができません。つまり、自由電子もホールもそれぞれの半導体の外側に行こうとします。
 そこで、それぞれの半導体の外側を電線でつなげば、N型の自由電子がP型のホールに向かって行くことができるので、電子の流れ、すなわち、電力が生まれます。この現象は、光を当てている間、次々と電子が押し出されます。これが、光による起電です。

 ところで、約1kWものエネルギーがすべて電気に変換できるわけではありません。現在は、おおむね15%が変換できます。したがって、1平方メートルのパネルでは、1,000W × 0.15 = 150W の電力を生成できるので、1メガワットの出力を得るためには、1,000,000W ÷ 150,000W = 6,667枚が必要となり、選択肢の中では、3 の10,000枚が正解となります。

 
 

提供:工学部 電気電子システム学科 笠 展幸 先生

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