理大の栞理大50周年



その39[着色料のヒミツ]  解説

 

 コンビニやスーパーで、赤色の食品が目にとまったら、是非原材料名を見てみてください。「ラック」「ラック色素」と書いてあればラックカイガラムシ、「コチニール」「コチニール色素」と書いてあればコチニールカイガラムシから、それぞれ取り出した赤色の食用天然色素が使われています。ラックカイガラムシの体表に分泌される被覆物質は樹脂状で、昔はSPレコードの原料としても使われていました。塗料のラッカーは、このラックカイガラムシがその語源です。コチニールカイガラムシはエンジムシ(臙脂虫)とも呼ばれています。ラックカイガラムシはインドや東南アジアで、コチニールカイガラムシはペルーを始め南米で、いずれも大量に養殖されており、日本は輸入に頼っています。
 カニ蒲鉾、イチゴ牛乳、アンパンや団子などの餡、お菓子や氷菓、ゼリーにジュースにキャンディー、ジャムに明太子、ハムやソーセージなどなど、赤っぽい食品を手に取ってみれば、いかにこのカイガラムシ色素が身近な存在であるかがお分かり頂けるかと思います。もちろん、食用として十分に安全が確認されているからこそ、多用されているのです。
 “カンパリ(CAMPARI)”というリキュールも、ビターオレンジの果皮を主原料に他種類のハーブを用い、カイガラムシ色素で着色した赤いお酒です。カンパリソーダ、カンパリオレンジなどとして、居酒屋でも身近ですよね。
 草木染めの染料としても(草木ではありませんが)、カイガラムシ色素はよく使われています。媒染という技法があり、いろいろな金属塩を加えることによって、色合いが微妙に変化して繊維が染まります。金属イオンの種類を変えると色が変わってくるのです。
 岡山理科大学では、このカイガラムシ色素と金属イオンが化学反応をした場合、どんな分子ができているのかを調べています。
 なお、問題中の選択肢のひとつ、(4) ダンゴムシ(団子虫)は陸生の甲殻類(海老の仲間)であって、昆虫ではありません。

 

提供:理学部化学科 坂根 弦太 先生

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