理大の栞理大50周年



その22[最小の表面積]  解説

 

 厳密にこの問題の答えを得るには高度な数学が必要となります。ここでは,大まかな説明だけを述べたいと思います。

 簡単のため,2つの円の半径は 2,その間の距離も 2 (円の半径が 1,2つの円の間の距離も 1 のときの2倍) としましょう。そうすると,この問題は関数 y = f(x) > 0 (−1≦x≦1) で,それを x 軸のまわりに回転させるとき,f(−1) = f(1) = 2 を満たすもので回転面の面積 S

 S  =
が最小なものを求める問題になります。変分法という方法を利用すると,回転面の面積が最小の場合,f(x) は,
を満たすことがわかります。この解は,
となります。ただし,a は,
を満たすものです。このような a は2つあって,その近似値は,0.589 と 2.127 です。 a = 0.589 のとき S = 23.967, a = 2.127 のとき S = 27.383 であるので,回転面の面積が最小となるのは a = 0.589 の場合です.

 上のように,面積や体積などは積分をつかって表すことができますが,ある積分が最小または最大となる関数を求めるというのは,さまざまな場面で現れます。
 例えば,体積が一定で表面積が最小の図形を求める問題の答えは,球になることが数学的にわかりますが,シャボン玉が丸いのはこのためです。曲面上の2点を結ぶ最短の線(例えば地球上の2つの都市を通る最短の航空路),糸の両端を固定してつるしたときの曲線の形,摩擦のない滑り台でもっともはやくすべれるようなカーブ,夏のアスファルトの道路の上の2点の光の曲がり具合などを求める問題は,ある積分が最小または最大となる関数を求める問題「変分問題」に帰着させることできます 。

 

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