理大の栞理大50周年



その13[液体窒素] 解説

 

温度を下げると、どのような現象が見えてくるでしょうか。

まず初めに、温度目盛りについてお話します。
私たちが日常使う温度目盛りは摂氏温度(℃)ですが、物理現象を考える場合には、絶対温度(K)と呼ばれる温度目盛りを使います。0℃は絶対温度では273Kです。つまり絶対温度の零度は−273℃です。液体窒素の沸点は、77K(−196℃)です。
物質を構成している原子や分子は、絶対温度に比例した熱エネルギーを持ち、乱雑な熱運動をしています。固体を構成している原子は、ある位置を中心にして振動していますが、温度が下がると振動は緩やかになってきます。
銅線に電流が流れている場合について考えると、電流を担う自由電子が、熱振動している銅原子の間を移動しています。銅原子の熱振動が自由電子の動きを妨げ、電気抵抗の原因となります。銅線の束を77K(−196℃)の液体窒素に浸けると、銅原子の熱振動が緩やかになり、自由電子が移動し易くなります。銅線の液体窒素温度での電気抵抗は、室温での電気抵抗の約7分の1まで小さくなります。

低温実験の様子(応用物理学科の国際交流での液体窒素を使った実験)
(左)きれいなお花もパリパリに・・・ (右)この後、風船はくしゃくしゃに萎みます

物質の温度を下げていくと、室温では観測されなかった興味ある現象が現れてきます。ある温度以下で電気抵抗が急激に下がり零となる超伝導現象もその1つです。超伝導状態では、磁場を排除するので、超伝導体が磁石の上に浮く(または超伝導体の上に磁石が浮く)、磁気浮上が見られます。

磁石を敷き詰めたレールの上を超伝導体が浮上して動いている
超伝導状態になる温度(Tc)は、物質の種類によって異なります。鉛のTcは7.2K、酸化物超伝導体YBa2Cu3O7-δのTcは約95Kです。
上に述べた超伝導の性質を応用したものに、医療用MRIやリニア・モーター・カーに使われている超伝導磁石があります。また超伝導高感度磁束計(スクイド)は脳磁計として利用されています。超伝導は、エネルギー、医療、情報など多方面への応用が期待されています。

 

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