理大の栞理大50周年



その11[身近な無限] 解説

 

1. 答えと直感的な説明
答えは、地平線上の1点に向かってのびる「輪っか」(楕円)です。

y 軸に平行な直線は,地平線上の一点に集まるように放射状に見えます。ボウリング場のレーンを思い浮かべて下さい。そこに放物線を重ねてみると納得がゆくと思うのですが・・・。

2. 身近な無限と射影幾何学
無限のかなたについて思いを馳せていただけたでしょうか。 「無限」というと手の届かない仮想のものだと思う向きもあるかもしれませんが,地平線は(手は届かないけれど)自分の目で確かに見ることのできる身近な無限です。描いてしまえば触れることもできますね。
無限に遠い点も「点」の仲間として「普通の」点とわけへだてなく扱ってゆく「射影幾何学」という考え方があります。 無限に遠い点をきちんと考慮に入れておかないと重要な情報の一部が欠落してしまうというのは数学ではとても大切な考え方です。 専門的には「コンパクト化」と呼んでいます。 放物線は無限に広がったものだけど,無限に遠い1点を追加すると,丸くてコンパクトな「輪っか」に見えます。 こういう見方が有効なことがしばしばあるのです。

3. 高校の数学 +α を使った説明
xyz という座標を持つ3次元空間で放物線上の点 P の座標を (tt2,0),視点を A とし,その座標を (0,0,1) とします。
方程式 yz で定まる平面 H を考えます。 H と直線 AP の交点を Q として,その座標を (XYZ) とします。 目に映る放物線は点 Q の平面 H という「スクリーン」上の軌跡だと考えられます。

すこし計算すると,
となります。 ここで t を消去すると,
X2Y2Y=0
という方程式が得られます。 これを
と書き直すとわかるように,図のような円を表しています(平面 H を XY 平面とみなす)。 t→∞ の極限をとると,Q は点 (0,1,1) に近づきます。 これは大切な点なので,Q と名付けましょう。 Q は円の上の1点であって,図では白抜きの丸で表しました。 円からこの1点 Q を除いた部分が放物線の像なのです。
もうすこし計算すると,y 軸に平行な直線族(ボウリングのレーン)は Q を通る放射状の直線に映されることや,地平線は Y=1 という直線になるということもわかりますが,省略します。
計算が簡単になるように Q の軌跡が円になるように座標をとりましたが,一般には「楕円」になることを注意しておきます。

 

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