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津波は海岸地域の植物にも大きな影響を与えたに違いないと考え
10月の末、初秋の東北を訪れてみた。
仙台のホテルで就寝しているとなにやら音がする。
誰かが来室したのかと起きてみると建物全体が揺れ始めた。
午前2時45分、M5の余震であった。
元々朝の4時には調査に出発しようと考えていたので出発の準備を始めることにした。 |
調査地への到着は、さすがに日の出には早すぎて植物の様子がわからない。
目星をつけていた調査地は真っ暗。
車から出てみると6℃「寒い!」
予報通りの吹き飛びそうな木枯らしであった。 |
明るくなり始めて周囲を見渡すと
高台にある家を除いてほとんどすべての家が土台だけになっており
すでに瓦礫は片付けられていた。
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家屋や人的な被害については多くの資料があると思うので
ここでは植物の状況についてのみ、簡単にコメントしておこう。
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社寺や民家の周辺には、建て替え時に利用すべく
スギやヒノキを植栽しておくことが多い。
津波の影響が大きかった場所では、スギが枯れて赤褐色になっていた。
津波の被災地であるかどうかは、スギで判定できる。 |
クロマツやアカマツの被害は軽微であったが
スギ・サワラ・ヒムロなどの常緑針葉樹は軒並み被害を受けていた。
タブやウバメガシなどの常緑広葉樹の被害も大きい。
しかしながら、クヌギやケヤキなどの落葉広葉樹の多くは
復活して葉を広げている種類が多かった。 |
| 葉を落とすことができる落葉樹は、生育に不適な条件の時期を葉を出さずにやり過ごし、ほぼ完全に復活している。落葉樹の臨機応変さが利点となった。 |
一方、常緑樹は大きく勝敗が分かれた。
クロマツやアカマツはほとんど津波の影響を感じさせない。
実際には大変な時期があったのであろうが、何食わぬ顔である。
土壌中の塩分によって水分を吸収できなくても
簡単には枯れてしまわないほどの乾燥への抵抗力を持っている。
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スギは本来、海岸などの潮の影響のある地域には生育しておらず
比較的水分を潤沢に得ることができる環境での生育に適している。
安定した環境に生育し
簡単には葉を落とすことができない常緑樹の被害は大きかった。 |
結局、激動の環境の中では
臨機応変な適応能力を持つものか
高い忍耐能力を持っているものかが生き残っている。 |
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| 津波に被災したものの、生き残っているクロマツやアカマツ |
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| 津波に被災したお寺(スギは赤茶色に枯死し、ケヤキは生き残って種子を稔らせている) |
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