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臨床免疫学研究室

臨床免疫学研究室

櫃本 泰雄

ウェルシュ菌に代表される病原菌に対して、ヒトの免疫機能がどのように反応するのかを研究。異物のみならず正常な細胞まで攻撃してしまう病理・病態について探っている。【研究力】

Keyword
自己免疫疾患/病理病態/免疫

ヒトの免疫機能に悪影響を及ぼすウェルシュ菌の戦略を突き止める。

「病原菌は、さまざまな戦略で人体に悪影響を与える存在です。その1つが私たちの研究対象であるウェルシュ菌。傷口から感染し、みるみるうちに人体を腐敗させてしまう菌です。さらに菌は常に進化しています。人体は菌から自衛するために免疫機能をもっていますが、それを悪用するような進化をする場合もあるのです」と櫃本 泰雄先生。たとえば菌が体内に含まれるタンパク質の一種と一体化して身を隠せば、人体は菌だと認識できず、免疫機能が働かなくなります。そのような菌の巧妙な戦略を解き明かそうとしています。
研究の進め方はウェルシュ菌由来、ヒト由来、それぞれのタンパク質を大量に作成し、両者が出合った際に、結合するのか、ブロックするのかなどについて、試験管内で反応を確かめるというもの。わずかな反応の差に、菌がもつ戦略のヒントが隠れているかもしれないのです。学生は「思った反応がなかなか出なかったのに、条件設定を少し工夫することで有力な結果につながる」という試行錯誤の賜物にやりがいを感じて取り組んでいます。
櫃本先生いわく「菌の戦略を学べば、それに抵抗するためのヒントもわかります。菌は何万種類とあり、菌による病気が発生してからでは対処が間に合いません。菌の性質そのものを解き明かす、こうした基礎研究の意義と魅力を、多くの学生に実感してほしいと思います」。
  • 菌から出る物質を白血球が感知し、菌を追いかけて移動するシーン。ウェルシュ菌がつくる因子の1つに、こうした白血球の走化性を阻むものがあることを見出した