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応用微生物学研究室

応用微生物学研究室

三井 亮司

微生物やその酵素を用いた有用物質の生産法を開発し、エネルギー、医療などさまざまな分野に役立てている。また微生物と植物の新たな共生関係を考察し、農業分野にも挑戦。

Keyword
微生物/発酵/バイオマス

微生物のもつ無限の可能性を探り、医療、食料、化粧品などの分野に利用する。

「人は太古の昔より微生物とうまくつき合い、生活を豊かにしてきました」と三井 亮司先生。微生物の力を人に役立てることをめざして研究を進める中、三井先生は近年、微生物酵素を使った小児がんの新しい診断法を開発し、医療分野にも寄与して話題を呼びました。産学連携の活動にも力を入れており、食品や化粧品などに微生物の力を利用する方法を探っています。「自然界の仕組みを理解し、学ぶことが重要だと思っています。そのターゲットの1つが植物と微生物の相互作用です。植物の葉の上にはメチロバクテリウムという微生物が優勢に存在しています。このバリテリアは植物から放出されるメタノールを食べ、植物ホルモンのほか、ピロロキノリンキノン(PQQ)という物質を植物に供給しています。この物質はビタミンCの数百倍という強い抗酸化作用をもっています」。
植物から分離したメチロバクテリウムを用いて、植物と微生物がPQQなどの物質をやりとりする共生のメカニズムも明らかになりつつあるそうです。このメカニズムを応用し、高い機能性をもつPQQを食品や化粧品の開発にいかすことが考えられています。
「メチロバクテリウムから酵素を抽出して解析したり、どの遺伝子にどのような役割があるか、遺伝子を操作したりすることで機能を調べます。DNA増幅装置などを駆使することで、どのようなときに、どの遺伝子が働いているのかが分かります。植物と共生する微生物が果たす役割の詳細が明らかになれば、微生物の力を利用した無農薬栽培や農作物の収穫量アップなども期待できるかもしれません」。
三井先生いわく「不思議だなと思う気持ちからスタートし、追究する楽しさを知ってほしい」とのこと。研究内容は社会に役立つ可能性が高いものばかりです。「新しいことが分かることは楽しい」と学生は話します。世界初の発見が導き出される日も遠くないかもしれません。
  • メチロバクテリウム

    植物と共生する微生物の1つ、メチロバクテリウム。共生関係をつなぐ物質であるPQQは強い抗酸化作用から、化粧品や健康食品など、アンチエイジング関連の商品化につながる可能性がある