学科オリジナルサイトへ

研究室PICK UP

臨工370×270

応用医療機器・臨床工学研究室

尾崎 眞啓、堀 純也

血液中から取り除いた尿素の量を測定することで人工透析に必要な時間を算出し、患者の負担を軽減する新しい人工透析機器を研究。医療機関やメーカーと連携して開発している。【研究力】

Keyword
血液透析/尿素測定

尿素センサを組み込んだ新しい機器の開発で透析の効率化に加え、在宅医療の未来もひらく。

尾崎 眞啓先生と堀 純也先生は、尿素センサを搭載した新しい人工透析機器の開発に、医療機器メーカーとの産学連携で取り組んでいます。主な狙いは、透析廃液中の尿素量を測定し、リアルタイムでモニタリング。1回あたり約4時間かかるため長くなりがちな透析の時間を短縮し、患者の負担を軽減させます。堀先生は尿素センサの計測装置を開発し、尾崎先生は医療機関の協力を得て測定したデータを研究にフィードバックしています。
「課題の1つは、ランニングコストを減らすこと。尿素を光らせている酸化剤の種類や濃度を変えて研究を進めています」と尾崎先生。堀先生は「透析機器の取り扱い時にネックとなりがちな気泡を消す方法について知恵をしぼっています。臨床工学技士として働く卒業生も研究室に訪れるため、現場の声を聞き、ヒントをもらうことも多いです」とのこと。
研究活動と並行して臨床工学技士の資格取得をめざす学生も多く「機器を扱うにもメンテナンスにも幅広い知識が必要」と、さまざまな条件下で測定やディスカッションを重ねています。その成果が実り、尿素センサによるデータの活用については、大学院生が国際会議で発表し、賞の獲得にもつながりました。
「研究にも臨床にも、柔軟な発想が不可欠です。できないと決めつけず、新しい考え方、方法、工夫を見つけ出すことが重要。研究活動を通して学びとってほしいと思います。これまでは一律だった治療方針が、患者さんごとのケアへと進化を遂げるのにも役立つ開発です。いずれ在宅で透析ができたり、さらに病院で大がかりな検査が必要だった病気が尿素の測定だけで簡単に分かったりと、この開発を発展させれば医療の常識が変わるかもしれません」と両先生は話します。
  • 透析排液中の尿素濃度と治療時間を表したグラフ

    透析排液中の尿素濃度と治療時間を表したグラフ。以前は透析前後だけだったが、尿素センサを使うことでリアルタイムに尿素除去の変化を確認できるようになった