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研究室PICK UP

化学pickup2017

高分子物理化学研究室

大坂 昇

せん断や熱処理、複合化により高分子フィルム、電解質ゲルなどの物性・機能を向上。さらに、階層構造を詳細に調べ、高性能化のメカニズムを解明する。

Keyword
高分子の物理化学/ナノ・マイクロ階層構造/ダイナミクス

高分子の高性能化について構造から解き明かす

高分子は身近な日用品から、人工血管や有機ELテレビなどに使われる先端材料まで、多種多様な用途で用いられています。「溶液、ゲル・エラストマー、プラスチック、結晶など、さまざまな状態における高分子の物性・機能を構造の観点から追究しています。ナノからマイクロメートルに及ぶ階層構造を制御することで、物性の最大化・最適化をめざします」と大坂 昇先生。
高分子材料は金属ほど重くなく、硬さや伸びなどの優れた特性をもちます。「普通は、硬さと伸びは相反する性質ですが、高分子の混ざり方などから相互作用を最適化し、硬さと伸びの両面で優れた特性を示すアクリルゴムを作り出しました」と話す大坂先生は、既存の概念を打ち破り、従来にない材料の創出に成功。学生も「自由に研究して、新素材開発に挑む喜びがあります」と語ります。
スマートフォンなどに用いられるリチウムイオン電池の電解質として注目を集めるゲル電解質でも、大坂先生いわく「伸びで4倍、力学的にも10倍ぐらい物性がよくなるゲル電解質を作製しました。世界的に見てもこの研究室だけの材料といえるでしょう」。
また、イオン液体は「難燃性、電気伝導性、ほぼ蒸発しない」などの特性がある画期的な液体で、燃料電池などの電池材料やバイオサイエンスなど、多方面での応用が期待されています。「従来、溶けなかった高分子やタンパク質をイオン液体に溶かすため、新しい溶媒の開発にも挑戦しています」と、大坂先生は意欲に燃えています。
  • 化学400×150

    リチウムイオンポリマー二次電池に使用される高分子ゲル電解質(左)。その内部の結晶構造(右)を制御することで約10倍もの高強度化を実現した