第三の水が、やがて
山村を漁村に変える

学で、自然を超えたい

海水を使わずに海の魚(海水魚)を養殖する方法を研究しています。海に生息する海水魚と川に生息する淡水魚は、それぞれ環境に適応するために異なる体の仕組みをもっているため共存は不可能だと考えられていました。それを現実にしたのが4年の歳月をかけて開発した「好適環境水」です。海水でも、淡水でもない、いわば第三の水。けれども、これで完成とは考えていません。たとえば水を変えないで受精卵から成魚まで完全に養殖できることなどを目指し、日々研究を重ねています。

工学部 バイオ・応用化学科
山本俊政先生

識では、つくれなかった水

海水は約60種類のミネラルで構成されています。そこでまず海水魚が生きていくために不可欠な元素の特定に挑みました。水からは海水の成分を増やしていき、逆に海水からは不要な成分を排除しながら、水と海水の両面から検討しました。成分が増えると、組み合わせは星の数ほどになります。そして4年かけて、必要なカリウム、ナトリウムなど数種類の成分と濃度を特定。細かな成分については明かせませんが、こんな成分で生きていけるんだという驚愕の結果でした。常識にとらわれてはいけないということを学びました。

来の子供においしい魚を

好適環境水の開発はあくまでもパーツです。目標は、山村を漁村にすること。フィッシュプラント(魚工場)をつくることです。世界の人口は今世紀半ばには95億人に達すると言われています。このままでは、食糧危機が現実のものとなる日が必ずやってきます。そのときに、どのようにして食糧を確保するかは切実な問題です。しかも魚については地球温暖化や乱獲、海洋汚染などの影響が大きな問題になっています。だからこそ自然の海に依存しない魚工場の実現こそが、最良の策と考え、研究を加速しています。

育ちのマグロも夢じゃない

山本俊政先生たちの取り組みを映像でご覧ください。